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兵庫県南あわじ市の山口百香さん(15)は2歳のとき、まぶたや顔がむくみ、熱もないのに嘔吐(おうと)するようになった。近くの医療機関で尿などを検査した結果、「小児ネフローゼ症候群」の疑いを指摘された。
小児ネフローゼ症候群は、血液中のたんぱく質が尿と一緒に流れ出て、血中のたんぱく質の濃度が下がり、むくみや尿の量が減るなどの症状が出る。原因はよく分かっていない。
百香さんはその後、同県洲本市内の病院に入院してステロイドによる治療を続けたが、効果が十分出なかった。神戸大病院に移り、ステロイドに加えて免疫抑制剤を使うと症状が改善。退院後、自宅でも免疫抑制剤をのみ続けた。ただ、症状が出て尿中のたんぱく質の量が多いときは、ステロイドを併用した。
2008年、百香さんが9歳のとき、悪性リンパ腫などの治療に使う抗がん剤「リツキシマブ」をこの病気の患者に使って、効果や安全性を調べる治験に参加。週1回の点滴を計4週続けたところ、その後約1年、免疫抑制剤だけで再発が抑えられた。11年に再び使うと、今度は約3年再発しなかったという。
小児ネフローゼ症候群の治療薬として最初に使われるステロイドは、使い続けると身長が伸びにくくなったり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になったりする副作用がある。最近の研究では、2カ月程度の使用で十分な効果があることが示された。免疫抑制剤のシクロスポリンも腎機能が低下する恐れがある。母親の宏枝さん(48)は「以前は、症状が出るたびにステロイドをのまなければならなかったので、不安があった」と言う。
神戸大の飯島一誠(かづもと)教授(小児科)らは08〜11年、約50人の患者を対象に治験を実施。患者を二つのグループに分けて使用の有無で比べると、リツキシマブを使ったグループでは、再発率とステロイドを使う量が、それぞれ半分以下に減っていた。再発するまでの期間も長くなっていた。
引用元:
子どものむくみ、治療に幅 小児ネフローゼ、新薬承認 再発を抑える効果(朝日新聞)