府北部の聴覚障害者の団体などで作るネットワーク組織「京都聴覚言語障害者の豊かな暮らしを築く北部ネットワーク委員会」(与謝野町)は、耳が不自由な人に向けて健常者が自分が手話ができることを示す「できますバッジ」を作成、全国から問い合わせが相次いでいる。

 「できますバッジ」は直径3・8センチで、ピンバッジのほか、クリップ式バッジ、キーホルダー、ストラップの4種類があり、赤、黄、緑の3色から選べる。

 両手の人さし指をくるくる回して「手話」を表現する図柄をそのままデザインし、「手話できます」という文字を添えた。舞鶴市のデザイナーが考案した。

 このバッジを作るきっかけになったのが、平成25年8月、福知山市の花火大会で起きた爆発事故。

 耳の不自由な男性が当日、現場に花火を見に来ており、何か大変なことが起きたことはわかったが放送が聞こえず、また、放送があったことすらわからなかった。まわりには大勢の人がいたが、だれが手話ができるかわからず、手話ができる人が一目でわかればと思ったことから、ネットワーク委員会で今回のバッジを作ることになった。

 このバッジを普段からバッグに付けるなどしておき、何かアクシデントが起こったときに、耳が不自由な人に見つけてもらいやすくする。今後、筆談で協力できることを表すバッジもつくりたいとしている。

 事務局長の佐藤洋さん(53)は「少ししか手話ができないという理由で『手話できます』のバッジを付けることをためらわれる人もいますが、『手話でお手伝いができます』という意思表示として、多くの人に付けてもらいたい」と話している。


引用元:
京都府北部の聴覚障害者支援組織、手話OKアピールに「できますバッジ」(産経新聞)