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母親が手芸を楽しむ間、子供たちは保育士らと過ごす。ここるくでは、子供2.5人に保育者1人をつけている=大阪市中央区のインテリアセレクトショップ
子連れでは入りにくかった人気のレストランやサロンなどで、イベント的に託児を実施するサービスが今夏、大阪で本格的に始まる。東京では平成25年にスタートし、今ではミシュランガイドに掲載される有名店からも支持されるなど拡大しつつある。「ママ友」作りにも一役買っているサービスだが、大阪でも根付くのだろうか。(加納裕子)
2〜3時間、子供を預けてリフレッシュ
「子供に泣かれるとストレスになって…」「実は人に預けるの、初めてなんです」
4月下旬、大阪市中央区のビル1階にあるインテリアセレクトショップのサロンで、子育て中の女性5人が机を囲んでいた。桐箱に布を貼り付けて華やかに飾る「桐箱デコレーション」の教室で、悪戦苦闘しながらも少しずつ形ができあがっていく。
らせん階段を降りると広々とした部屋があり、保育士に抱かれた赤ちゃんがうとうと。生後11カ月の長女が気になって部屋をのぞき込んだ大阪府高槻市の大槻優理子さん(32)は「これまで誰にも預けたことがなかったけれど、もうすぐ1歳なので少しずつお友達とも遊べるようになっていってくれたら」とほほえんだ。
サービスを提供しているのは「ここるく」(東京都目黒区)。子供を預ける親類や友人が少ない都市部の核家族をターゲットに、人気のレストランやサロンなどで託児を行うサービスを展開している。託児施設を探して預ける手間が省け、子供との距離が近いため、泣けば授乳したり様子を見に行ったりできる安心感などから新しい形の子育て支援として注目されている。
大阪では昨年9月、大阪市北区のレストランで試験的にスタート。今夏から心斎橋のフレンチレストラン「ル・クロ・ド・クロ」など3店舗で本格的に始まる。関西PRマネジャーのビンセント結弓(ゆゆみ)さん(37)は「2〜3時間子供を預けてリフレッシュすることでいとおしさが増し、自分を見つめ直す機会にもなります。大阪でもきっとニーズはあるはず」と意気込む。
孤立する母親、自分の時間もなく
なぜこのようなサービスが必要なのか。ビンセントさんは「都市部で子育てをするママは、ちょっと抱っこを代わってもらえる親や親類が近くにいないことが多い」と指摘する。
女性は出産後、生活が激変する。毎日のすべてが子供のペースになり、温かいご飯を食べたり、ゆっくりお風呂につかったりすることも困難に。子供を預かってくれる人がいなければショッピングや美容院に行くこともままならず、時にたまってしまったストレスが愛する子供に向かうことすらある。
国は母親の孤立化を防ごうと、19年度から「地域子育て支援拠点事業」を展開。補助金を支給して親子の交流の場を積極的に増やした結果、地域の子育て支援センターなどは約2000カ所増え、25年度は約6200カ所にのぼった。また、乳児と一緒に参加できるベビーマッサージ教室や産後ヨガ教室、子連れで入れるレストランなども増え、乳児を連れて外出できる場は広がりつつある。
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母親が手芸を楽しむ間、子供たちは保育士らと過ごす。ここるくでは、子供2.5人に保育者1人をつけている=大阪市中央区のインテリアセレクトショップ
ただ、こうした場所では子供と離れて「自分の時間」を確保するのは難しい。また、雰囲気を重視するレストランなどは一定の年齢以下の子供を不可とする場合もあるのが現状だ。
桐箱デコレーション教室のオーナー、永岡久乃さん(51)は「お客さまはもともと子育てを終えた主婦の方が多く、『子育て中はレッスンに来られなかった』と聞いて何とかしたいと思っていた。保育のプロが託児してくれると助かります」。今夏に館内のレストランで開催を予定しているスイスホテル南海大阪(大阪市中央区)の担当者も「ホテルは敷居が高いと思わず、子供にも来てほしい。お母さんにも親しみを持っていただけるホテルになりたい」と話す。
母親世代を呼び込みたい店側からも好評を得ているこのサービス。母親からは美容院や映画館などで子供を預かってほしいとのニーズが高く、ここるくでは今後も希望する店舗を募り、選択肢を増やしていくことにしている。
1人で参加してママ友作り
ここるくのサービスは、「ママ友」作りにも一役買っている。レストランで開催する場合は、1人で参加した人同士を相席にするよう配慮。例えば、育児休業から復帰する前に子供を人に預ける練習をしつつ、効率の良い時間の使い方を他の参加者に聞いて友人も作るといった利用の仕方があり、首都圏では1人での参加者は少なくないという。
一方、大阪では「1人よりも友達と参加して楽しみたいという傾向がありますね。『1人で行くものなんですか』と驚かれることもありました」(ビンセントさん)。
ただ、大阪で本格的に実施されるのはこれから。ビンセントさんは「サービスを必要としている人に知られていない面も大きいと思います。1人でもぜひ、気軽に参加してほしい」と話している。
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「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」(東京都港区)が平成26年6月、未就学児のいる男女4000人を対象に行った調査では、「子供を預けられる人がいる」とした女性の74%が「子育てが楽しい」「楽しいと感じるときの方が多い」と回答したのに対し、「子供を通して関わっている人がいない」とした母親では60・9%にとどまった。
また、「子供を通して関わっている人がいない」とした母親の割合は14年に厚生労働省が行った同様の調査では1・6%だったが、今回調査では11・2%と激増。同社は「子供を通じた付き合いが減少している」と指摘している。
引用元:
赤ちゃんと来店OKのフレンチ…託児サービスで安心、ママ友作りに一役(産経ニュース)