ヒアルロン酸と体外受精の成功率
イギリスの科学者らは、体外受精に関する臨床試験を通して、美容化粧品やクリームに含まれる保湿成分「ヒアルロン酸」が精子と卵子の受精を助長すると発表した。

臨床試験の責任者であるデイビット・ミラー(David Miller)氏は、ヒアルロン酸が最も質の良い精子と卵子の受精を可能にしたと述べている。

ヒアルロン酸を用いた臨床試験では、10分程度で最も質の良い精子を選別でき、また、DNAの損傷も最小限に留められたという。



ヒアルロン酸メソッド
ヒアルロン酸を用いた精子選別方法「ヒアルロン酸メソッド」の臨床試験では、成熟した、生殖能力が高い精子のみがヒアルロン酸と付着した結果になった。

ミラー氏は、ヒアルロン酸メソッドにより卵細胞質内精子注入法(ICSI)の成功率が改善したと述べている。特に、37歳以上の女性における体外受精の成功率が著しく増加したという。


体外受精の最適なタイミング
モナッシュIVFグループは、ゲノムシークエンス(ゲノム解析)より12時間後に受精卵移植を行うと、染色体異常のない受精卵(胚)になると報告した。

この最新の体外受精技術による成功率(妊娠率)は大いに期待で、特に、40歳以上の女性における成功率が2倍になったという。


新しい体外受精技術と臨床試験
アデレード(豪)のモナッシュIVFグループは臨床試験を実施し、従来の体外受精による妊娠率が26.2%であった一方、最新の体外受精では約2倍、46.7%であったと報告した。数ヵ月後には、特定疾患をスクリーニングできる見込みであるという。

専門家らは、最新の技術は体外受精による妊娠率を高めるだけでなく、IVFサイクル数や流産のリスクをも減少させると期待している。特に、40歳以上の女性にとって大きな希望を与えると考えている。



引用元:
30、40代のリスク軽減 体外受精の成功率アップ (妊活・卵活)