そろそろ梅雨が近づいてきました。梅雨になると、湿気の増加に伴い、菌が多く繁殖するようになります。


近頃、世の中では清潔志向が高まり、除菌、無菌、などと言った言葉がよく聞かれるようになり、徹底的に殺菌しようとする傾向がありますよね。ところが、こうした無菌状態は、赤ちゃんの成長にはあまり良くない、もっと言うと、赤ちゃんが育つためには「菌が必要だ」というのです。


そこで今回は、雑誌『母の友』2015年1月号の『「菌」と暮らす』の記事を参考に、“赤ちゃんの成長には菌が必要な理由”について紹介します





■食べ物の消化には腸内細菌が必要


<「食べ物を消化する」と言いますけど、実は、唾液や胃液に含まれる消化酵素とは別に、腸内細菌がなければ消化することができません。


ですから腸内細菌が豊富にあることは、人の健康にとってとても大切です。>



実は、赤ちゃんが生まれた瞬間に、ラクトバチルスやビフィズス菌といった善玉菌と、大腸菌やクロストリジウムなどの悪玉菌がいっぺんに腸内に住みつくようになるのだと言います。


そして、こうした菌があるおかげで、食べ物の消化ができるので、実は人間には菌が必要だと言うのです。





■腸内細菌は生まれて1年で決まる


<最近の研究によると、人の腸内細菌の種類は、生まれて一年で決まってしまうことがわかりました。その一年間で、どの程度菌との付きあいがあったかで腸内細菌の種類が決まるのです。>



赤ちゃんがいろいろなものを口にいれるのは、実は、こうした訳があるというのです。ママのお腹にいた時は、無菌状態でしたが、出生後、わずかな期間で少しでも免疫を高めようとするために、そこらへんのものを舐めているというわけ。


これは驚きですよね。ですから、赤ちゃんが舐めているものを「汚い!」といって、取り上げてばかりいると、免疫力がつかなくなってしまうことに……。ほ乳瓶などを消毒してあげることも、免疫力をつける妨げになってしまいます。





■腸内細菌を増やさないとアレルギーの原因にも


<子ども時代に腸内細菌を増やしておかないと、腸に食物を正常に吸収するための膜ができず、病気になります。リーキーガット症候群という、腸に穴があく病気です。腸に穴があきますから、小麦粉を食べれば、きちんと分解されないまま吸収してしまい、食物アレルギーが起きる原因になるのです。>



これは、驚きですね。赤ちゃんの時の、おしゃぶりがいかに大切かということがわかります。もちろん、アレルギーの原因は、これひとつではありませんが、こうしたことも知っておいたほうが良いかもしれません。





以上、“赤ちゃんの成長には菌が必要な理由”でしたが、いかがだったでしょうか? “赤ちゃんの時に、腸内細菌をいかに増やすか?”ということが、その後の人生でも大切になってくるのですね。


最近は清潔志向が高まっていますが、あまり極端に無菌、除菌と考えずに、適度に菌がいる環境を意識したほうが良いかもしれません。ママは、ぜひ知っておいてください。





引用元:
アレルギーの原因にも!? 「過度の除菌」は赤ちゃんの健康に良くないと判明(BIGLOBEニュース)