子宮頚がんが進行すると、やがて子宮頚部から離れた部位への転移が見られるようになります。このような場合、放射線療法や全身への化学療法が検討されますが、転移がある場合の治療は確立されていません。通常の化学療法に加え、「ベバシズマブ」という抗がん剤を併用すると生存率に効果があったという報告が最近なされましたが、結果を再検証し、生活の質(QOL)についても良好だったとする続報が示されました。


◆ランダム化研究を通じて、進行性の子宮頚がん患者の経過を観察

まず、研究対象となったのは以下の人になります。


転移の見られる「ステージ4b」の段階まで発展した子宮頚がんのある、18歳以上の女性を対象に研究を実施した。被験者の病理タイプは測定可能病変であり、GOGPSスコアは0〜1であった。

被験者は子宮頚がんを患った18歳以上の女性で、ほかの臓器に転移があったり、ほかの治療法で効果が出にくかったりした人が選ばれました。

被験者はランダムに次の4つのグループに振り分けられ、それぞれ違う内容の化学療法を受けることが決められました。
• シスプラチン+パクリタキセル
• シスプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ
• パクリタキセル+トポテカン
• パクリタキセル+トポテカン+ベバシズマブ

その後の評価については、患者自身が申告したQOL評価に基づき比較検討しました。



◆「化学療法+ベバシズマブ」群で、子宮頚がんのQOLに有意差なし

臨床試験の結果は、以下のとおりです。


試験開始時点では、FACT-CxTOIスコアに関して、ベバシズマブ併用群とベバシズマブ不使用群との間に有意差は見られなかった。(P=0.27)。ベバシズマブ併用群では、ベバシズマブ不使用群に比べ、FACT-CxTOIスコアでは1.2ポイント低い平均値が得られた(98.75%信頼区間:-4.1~1.7、P=0.30)。

試験開始時においては、健康関連のQOLを示すFACT-CxTOIスコアに関して、ベバシズマブ併用群とそうでない群との間では有意差は見られませんでした。試験を開始してから9か月後、ベバシズマブを使ったグループと使わなかったグループを比較すると、FACT-CxTOIスコアには統計的に有意な差がありませんでした。

以上の結果を踏まえ、筆者らは「進行した子宮頚がんの治療においてベバシズマブを併用することによる、全死因についての生存率と進行のない生存期間の改善は、健康関連QOLの有意な悪化をなんら伴うことがなかった」と述べています。

進行したがんの治療は複雑ですが、このような検討の積み重ねから、効果があり、しかもできるだけ負担の軽い治療が見つけ出されていくことが望まれます。


◆参照文献

引用元:
転移のある子宮頚がん患者にベバシズマブが有効、QOL悪化せず(MEDLEY)