熊本市は20日、親が育てられない子供を匿名で受け入れる慈恵病院(同市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)に、2014年度は11人が預け入れられたと公表した。10年度以来、4年ぶりに10人を上回り、07年5月の開設以来の合計は112人となった。

 14年度の内訳は、男児6人、女児5人。預入数は10年度まで15〜25人だったが11年度以降、1桁台が続いていた。

 11人のうち10人が生後1カ月未満の新生児だった。命に危険のある体重1500グラム未満の子供が初めて預けられるなど診療が必要な子は6人いたが、虐待が疑われるケースはなかった。ゆりかごの扉の外に置かれた子もいたが「子供を置いた」と病院に電話があり、無事だった。

 8人は親や祖父母の住所が判明。このうち初めて東北からの預け入れがあった。預けた理由は「生活困窮」と「未婚」が最も多かった。

 慈恵病院の蓮田太二理事長は「さまざまな議論は平行線のままだが、殺されたり遺棄されたりする赤ちゃんを『社会の犠牲』と黙殺すべきではない」とのコメントを出した。〔共同〕



引用元:
「赤ちゃんポスト」4年ぶりに10人上回る 14年度11人  (日本経済新聞)