実験室での研究の結果、精液が子宮内膜症を悪くする可能性があるようだ。

 精液により病変は生存しやすくなったり、増殖しやすくなったりすると認められた。

 豪アデレード大学を中心とした研究グループが、病理学の専門誌、アメリカン・ジャーナル・オブ・パソロジー誌で2015年5月1日に報告した。

女性の10人に1人で発症
 子宮内膜症は、通常は女性の子宮の内部で増殖する組織が子宮の外側に迷い込んで増殖してしまう病気だ。

 研究グループによると、子どもを生める年齢の女性では10人に1人がこの病気に悩まされるという。

 病気の症状はさまざまで、生理痛や下腹部痛などがある。妊娠しにくくなるのも問題になる。子宮内膜症については、原因、効果的予防法、治療法についてはほとんど分かっていない。

 研究グループは、性生活が子宮内膜症に与える影響について実験室レベルで検討した。

子宮内膜症の病変を生き残りやすく
 その結果、実験室での研究では精液は子宮内膜症で確認できる病変を生存しやすくしたり、増殖しやすくしたりすると認められた。

 研究グループは、重要な発見と見る。子宮内膜が精液にさらされると女性ではこの病気を進行しやすくしている可能性があると説明している。

子宮内膜症と性行動との関連性についてはさらに研究を進める必要があると指摘。今後は、実験室での発見を人の医療に生かして、性交の際に精液にさらされると子宮内膜症のリスクを増大させるかどうかを明確にすべきという。

 現状ではまだ明確ではないが、気にしておくと良いかもしれない。


引用元:
精液が子宮内膜症を悪くする可能性、性生活が影響か(Medエッジ)