早産で生まれた子は肺の機能に注意するとよいかもしれない。

早産児が成人になったときの呼吸機能
 米国オレゴン大学を中心とした研究グループが、米国胸部学会紀要で2015年4月28日に報告した。

 研究グループは、32週未満で生まれた早産の子の20歳になるまでの肺機能について検討。3つのグループに分けて調べた。

 一つのグループは、早産後に気道の収縮が起こってくる「気管支肺異形成症(BPD)」を発症したグループ、もう一つは、早産で生まれたものの収縮性の気管支肺異形成症を発症しなかったグループ。もう一つは、比較対照となる臨月で誕生したグループ。

 全3グループの対象者に対して、運動時の肺機能を調べる検査を実施して、32週未満で生まれた場合とそうではなく臨月で生まれた場合の肺機能を比較した。

「BPD」なくても肺機能は低下
 結果として、早産で生まれた場合には、気管支肺異型性症の有無によらず、肺機能は低下している傾向があると分かった。

 20歳代半ばの段階で、軽度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の近い症状を示していた。慢性閉塞性肺疾患は、たばこを吸っている人で起こる病気で、呼吸機能が落ちてしまう。早産の子でも肺の機能が比較対照のグループほどには効率的に機能せず、疲れやすさの原因になっていた。慢性閉塞性肺疾患に進むリスクもあると見られた。

 研究グループは、2つタイプの早産だったグループの間ではばらつきがあると予測していたと説明する。実際には、肺の状態は似ており、共通していると予測していなかったという。

 研究グループは、「早産の子が成人になる中で、どのようなケアをしていくのが最も効果的かは不明だが、年齢を重ねるに伴い、生活の質を高め、肺の健康を向上させるための方法を明らかにする必要がある」と強調する。

 早産で生まれた子の肺機能を高める手段を確立することが必要になりそうだ。



引用元:
32週未満で生まれたの早産の子は「肺」に注意、成人するまでの機能に低下傾向(Medエッジ)