胆道閉鎖症は、母親が妊娠中にさらされた有毒性のある物質やウイルスが原因である可能性があるようだ。

 米国とオーストラリアを含む研究グループが、有力医学誌のサイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌2015年5月号で報告した。

肝臓から腸に通じる胆道が詰まる

 先天性の胆道閉鎖症は、肝臓から出る胆汁の通り道である胆管が詰まってしまう病気。生まれつきの病気で、胆汁を腸に出すように手術をしたり、肝臓移植をしたりする必要があるもので、命にも関わるため重要となる。最近では便の色から病気の可能性を見極められるという研究報告が出ている(生まれた直後の便の色から「先天性胆道閉鎖症」が分かる、帝京大学からの報告を参照)。

 原因は不明であるところが難しく、これまでの研究によると、ウイルスや有毒性のある物質などの環境要因が原因であるとの指摘もある。

 研究グループによると、原因に関係して、オーストラリアの家畜で胆道閉鎖症の自然発生の事例はあった。干ばつの発生で妊娠中の動物が通常と異なる植物を食べてしまったためと見られている。

遺伝子解析で特定

 研究グループは、ゼブラフィッシュという魚を使って原因を探った。

 肝臓から分泌される胆汁の内容物を調べたところ、「アリタ草」という植物が胆道閉鎖症と関係すると見られた。この植物からビリアトレソン(biliatresone)と呼ばれる化学物質を取り出した。実験したところ、胆道を詰まらせる効果があると分かった。

 さらに、この植物に影響を受けやすい遺伝子の突然変異も検証。人の胆道閉鎖症のなりやすさと関係した遺伝子に近い場所でこの魚でも遺伝子の突然変異が関係すると分かった。

 研究グループは動物や魚とはいえ、人の胆道閉鎖症の原因と関係していると考えている。妊娠中の女性ではこの病気に限らないかもしれないが、周囲の環境に注意することは大切だろう。

文献情報

引用元:
赤ちゃんの胆道閉鎖症の原因が妊娠中の「有毒性の物質」などか(Medエッジ)