授乳による育児をした後に乳がんを発症した女性は、授乳しなかった女性に比べて、がんの再発およびがんによる死亡の可能性が低いことがわかった。米カイザーパーマネンテ研究部門(オークランド)のMarilyn Kwan氏らの研究で、研究論文が「Journal of the National Cancer Institute」オンライン版に4月28日掲載された。

以前の研究で、授乳は初発の乳がん発症のリスク低下と関連することが報告されている。Kwan氏らは今回、乳がん患者1,636人を対象に、1997〜2000年に診断された群と2006〜2013年に診断された群を検討した。ほとんどはカイザーパーマネンテの患者だった。

今回の研究は、授乳と乳がん患者のより良い転帰の関連性を示したが、因果関係は証明していない。

この関連性は、最も一般的なエストロゲン受容体(ER)陽性乳がんを含むルミナルAサブタイプの乳がんで統計的に有意であったが、他のサブタイプでは統計的に強い関連性はなかった。

授乳女性の乳がん再発リスクは全体で30%低く、授乳期間にかかわらずリスクは低下していたが、授乳期間が6カ月未満の女性では関連性がさほど強くなかった。また、授乳女性では乳がんによる死亡リスクが28%低かった。

Kwan氏は、「子どもの数などの他の因子も関わるが、授乳をすると、乳がん発症リスクが約5〜10%低減する。授乳が乳児だけでなく母親の健康にも良い可能性があることが確認された。授乳には生涯の月経周期数が減るなど多くの理由で保護作用がある」という

引用元:
授乳歴が乳がんの再発を低減する(健康美容EXPO‎)