7日から利用が始まった三重大付属病院(津市)の新外来棟内に、高度な不妊治療を受けられる「高度生殖医療センター」が新設された。県内では不妊治療の需要が年に四、五千件あると言われており、同病院は最新の設備で対応していくという。
不妊治療の件数は年々増えている。現在は約4%が体外受精による出産となっている。だが、同病院の調査によると、県内では需要の半分の年2千件ほどしか、不妊治療を受けられていないのが現状だ。初診まで数カ月から半年待つことも多い。
三重大病院の「高度生殖医療センター」では、県内で唯一、卵管鏡の治療を受けられる。同病院によると、不妊の原因の2〜3割は卵子や精子の通り道となる卵管が、細菌の感染症などにより閉塞(へいそく)していることだという。卵管鏡を使うことで、閉じた卵管を簡単に広げられる。
未熟卵の体外受精もできる。通常は18ミリほどに成長した卵子を採卵して、体外受精に使う。同センターではそれより小さい卵子を採り、体外で培養する技術を確立している。
男性の不妊治療にも対応する。精管の閉塞による無精子症の場合は、精巣内から精子を採取できることもある。病院内の泌尿器科医による手術で、精巣内の精細管を取り出して精子を探し、体外受精につなげていく。
糖尿病や心疾患などの合併症を持つ若い女性が、妊娠をあきらめてしまうことがある。三重大病院では同じ建物内の他科と連携できるため、不妊治療を並行して進められるなど、大学病院ならではの強みがあるという。
同センターの前沢忠志医師(35)は「できる限り患者のニーズに応えていきたい。妊娠の機会をあきらめて欲しくない」と話す。
県子育て支援課の担当者は「三重大病院には治療技術だけでなく、不妊治療について、研究機関や教育機関としての主導的な役割を担って欲しい」と、期待を寄せている。
引用元:
高度不妊治療始まる 卵管鏡で治療も 三重大病院に生殖医療センター