夜中に突然、響き渡る赤ちゃんの泣き声。何をしても泣きやまず、寝不足が続いているという子育て中の親は多いだろう。赤ちゃんの睡眠時間は親にとってもリラックスタイム。赤ちゃんにぐっすり眠ってもらうにはどうしたらいいのか、専門家に聞いた。(油原聡子)

 ◆朝の太陽光で

 「赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド」の著書がある、夜泣き専門保育士の清水悦子さん(35)によると、赤ちゃんが夜中に何度も起きて泣く「夜泣き」は、5、6カ月から始まることが多く、3歳くらいまで続く場合もある。

 清水さん自身、長女(7)の夜泣きで苦労した経験を持つ。長女は6カ月頃から夜中、1時間おきに泣くようになった。夜泣きをすると、授乳しては寝かしつけるの繰り返し。「寝不足が続き、8カ月頃から自分が鬱に近い状態になっていた」と振り返る。

 「何とか状況を改善したい」と子供の睡眠に関する論文を調べ上げ、たどり着いたのが「生活リズムと夜泣き」の関係だ。

 人間には、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという生活リズムがある。このリズムをコントロールするのが「体内時計」だ。体内時計とは、「時計遺伝子」の働きによる脳の機構で、睡眠やホルモン分泌など体のさまざまなリズムを調節する役割を担う。体内時計は24時間より少し長いリズムで動いており、1日24時間のリズムに合わせるには、朝の光を浴びてリセットする必要がある。

 体内時計をリセットするには、人間の体温が最も下がる早朝から数時間以内に朝の光を浴びる必要がある。個人差があるが、午前4時ごろが最も体温が下がる時間だとされる。夜泣きに悩まされていた当時、清水さんの長女は午前10時起床、午後10時就寝という生活。早寝早起きのリズムに整えたところ、夜泣きが治まっていった。

 赤ちゃんの生活リズムを整えるには、午前7時頃までに起こし、太陽の光を室内に入れて体内時計を正常化させる。夜は生後6カ月までは午後8時、9カ月以降は遅くても午後9時までに寝かせる。

 環境作りも大切だ。「昼は明るくにぎやか、夜は暗く静か」がポイント。日中は太陽光を浴びて活動的に過ごす。お昼寝のときには、室内を「木陰くらいの明るさ」にするといい。携帯電話など電子機器の光は刺激となり、寝付きが悪くなるので携帯をいじりながら寝かしつけをしないようにする。

 ◆眠りが浅い

 東京ベイ・浦安市川医療センター小児科の神山潤医師によると、睡眠は、浅い眠りと深い眠りを1セットにして何度も繰り返す。大人の眠りのサイクルは90〜100分だが、赤ちゃんの場合は新生児が40分くらい、3カ月で50〜60分と短い。

 赤ちゃんが夜泣きをしたり、寝てくれないと親はストレスをためてしまいがちだ。「赤ちゃんの眠りは大人に比べて浅くなる回数が多いため、夜中に目が覚めやすい。成長とともにぐっすり眠る時間は長くなっていく」と神山医師。「睡眠は個人差が大きい。一人で思い詰めずに、周囲の人に相談してみるなどしてほしい」と話している。

 ■活動量計で睡眠時間を把握

 赤ちゃんの夜泣きに悩んだら専門の病院を受診してみるのも一つの手だ。子供向けの睡眠外来「キッズすいみんクリニック」(東京都中央区)では、赤ちゃんの腰に取り付け、体の微細な動きから消費カロリーや睡眠時間、眠りの深さなどを計測できる活動量計を使って対策を提案している。

 睡眠や排泄(はいせつ)のタイミングなどを調べ、適切な起床や就寝時間、おむつ換えのタイミングなどをアドバイス。睡眠を改善するという。

 同クリニックを運営する医療法人「スリープクリニック」の遠藤拓郎理事長は「赤ちゃんの睡眠のタイミングが分かると母親も家事の計画などを立てやすくなり、負担が軽くなる」と話している。

引用元:
赤ちゃんの夜泣き対策 早寝早起き「体内時計」整える(産経新聞)