他のがんに比べて若い世代での発症が多く、治療が長期にわたる乳がん。病気の不安に加え、家族への告知や仕事の継続に悩む患者の支援に、高知大学医学部付属病院(高知県南国市岡豊町小蓮)が取り組んでいる。乳がん看護に精通した看護師が中心となり、患者が思いを語るサロンを開催。診療に同席して治療方針を一緒に考えるなど、きめ細かな対応を目指している。
国立がん研究センターの統計によると、生涯に乳がんを患う日本人女性は12人に1人。罹患(りかん)率は30代で増え、40〜50代がピーク。早期発見すれば10年後の生存率は90%を超えるが、治療後の経過観察も含めてがんと向き合う期間が長く、支援が欠かせない。
高知大病院では2014年7月、看護師の藤原キミさんが高知県内で2人目となる「乳がん看護認定看護師」の資格を取得。患者支援を模索する中、「病院のがんサロンは男性も参加するので話しづらい」「他の乳がん患者の経験を知りたい」との声を聞き、10月に専用サロンを始めた。
「こはすリボン」と名付けて週に1度、院内で開催。通院、入院患者数人が訪れる。「早く職場復帰したいけれど、手術で体力が落ちて…」「乳房摘出後に再建術を受けるかどうか、決めかねています」。藤原さんは時折助言しながら、交流を見守る。
サロンでは患者が急に泣きだすことがある。「『自分の病気をわが子にどう伝えるか』という問題や、『治療を続けながら働けるのか』といった経済的な不安を1人で抱え込む人は少なくない」と藤原さん。同じ境遇の患者が語り、励まし合う場は心の支えになるという。
サロン以外の活動も広げている。藤原さんは医師の診察に、がんの告知段階から同席。診察後は医師の話を補う形で手術や手術後の放射線、薬物療法について説明し、患者の疑問に答える。「入院中、退院後の生活を具体的にイメージし、納得して受けてもらいたい」。入院中は病棟で相談に乗るなど、途切れない支援を心掛けている。
スタッフの勉強会も開くなど、現在は院内での活動が中心。藤原さんは「将来はもう1人の認定看護師と協力し、高知県内で乳がん検診の啓発に取り組みたい」と話している
引用元:
乳がん患者支えよう 高知大病院の認定看護師ら活動 (高知新聞)