乳がんの転移の背景に血管をまねるように促す仕組みが悪く影響しているようだ。
血管を固まりにくく
米国コールド・スプリング・ハーバー研究所のエルビン・ワーゲンブラスト氏らの研究グループが、有力科学誌ネイチャー誌において2015年4月9日に報告している。
研究グループは、乳がんのがん細胞に血液を供給できるように血管を作り出す新しい仕組みを特定した。2つのタンパク質が働いて、がん細胞が血管をまねるようになる。がん細胞の成長に必要な酸素や栄養も供給するためには欠かせない。
研究グループによると、タンパク分子は血液を固まりにくくする働きもある。肺へのがん細胞の転移も促す役割を持つ。
がん細胞の転移にとって重要な役割を果たしているわけだ。
薬につながるか?
乳がん細胞内の「セルピンE2」と「分泌型白血球ペプチダーゼ阻害物質」というのが2つのタンパク質。
この量を減らすと、ほかの部位に転移するがん細胞の量を減らすこともできる。
2つのタンパク質をターゲットにした薬ができれば、乳がんの転移を抑えられるかもしれない。
これまでのところ血管が新しくできないようにする薬は十分な効果を上げられていない。従来をしのぐ効果を上げられるか?
引用元:
乳がんの転移、がん細胞が血管をまねている(Medエッジ)