日本の母子手帳をモンゴルで導入したところ、妊婦検診の受診率が向上するなどの効果が得られたと、国立成育医療研究センターの森臨太郎政策科学研究部長らのグループが発表した。母子手帳の健康への寄与が科学的に証明されたのは初めてという。論文は米科学誌プロスワンに掲載された。
 研究グループはモンゴル保健省と共同で、母子手帳のモンゴル語版を作成。2009年から10年にかけて、北部ボルガン県の村を無作為に半分に分け、片方の村(介入群)では妊娠が分かった女性に手帳の使い方を指導して配布、もう片方(対照群)は研究期間終了後に配布した。介入群では253人、対照群では248人が妊娠。ともに平均年齢は27歳で、約3割が初産だった。
 規定の6回の妊婦検診を受けた人の割合は、手帳を受け取った場合89%、受け取らなかった場合は70%と差が見られた。また、手帳を受け取った人は妊娠中の合併症の発見率が2.5倍程度に上昇。受動喫煙は16%ほど減少した。
 森部長は母子手帳の効果について、「記録が目に見えることで健康に関する認識が上がり、問題点があればフィードバックされるので行動につながる」と話している。 

引用元:
母子手帳、モンゴルで効果=受診率など向上―成育医療センター(時事通信)