よく「自分の記憶に残っている中で、一番古い場面」が語られることがあるが、では一番 “古い音” はどうだろう? あなたは人生における最古の音を、耳に呼び起こすことができるだろうか? 

もしかしたら動画『Baby hears his mom for the first time with hearing aids.』に登場する赤ちゃんは、今回聞いた音をずっと覚えているかもしれない。なぜなら、生まれつき耳が聞こえない赤ちゃんが、初めてお母さんの声を聞いた瞬間なのだから……。

・生まれつき耳が聞こえない赤ちゃん
生後9週間のエリヤ君は、生まれたときから耳が聞こえづらい。左耳は何の音も聞こえず、右耳は75デシベルの音だけを聞き取れるというのだ。75デシベルといえば、「80デシベル = 地下鉄・バス車内」から「70デシベル = 騒々しい街頭」の中間くらいの音にあたるはず。

ということで、ほとんど音のない世界にいたエリヤ君だったが、この度、初めて補聴器を付け、お母さんの声を耳にしたのだ! 「聞こえる? お母さんの声よ」と優しく話しかける母アハバ・クックさん。対して、お母さんをジッと見つめるエリヤ君。ちょっと「エッ?」と驚いているふうだ。

・お母さんをジッと見つめるエリヤ君
きっと、初めて聞こえてくる音にビックリしているのだろう。それでも彼の表情、しぐさからお母さんの声をちゃーんと聞いていることが伝わってくる。しかもお母さんに対して、ニコッと笑顔まで浮かべてくれたのだから……ああ! もうたまらない!!

・お母さん「感情がこみ上げてきて、涙が出そうだった」
と第三者である私たちが、とろけてしまう程なら、お母さんの感動はいかばかりだろう。当のクックさんは、以下のように自分の気持ちを述べているのだった。

“「今回、エリヤが “まばたき” したのを初めて見て、たくさんの感情がこみ上げてきました。エリヤに泣き顔を見せたくなくって、涙が出ないようにするのが精いっぱい。だから何とか気を張って、あの子に話しかけつづけました」

・補聴器を付けた後、より感情豊かに
その後、音に反応するようになったエリヤ君。お父さん、お姉さんが話しかけ、音を立てれば、彼も声を上げたり、顔を向けたり、笑ったりと色々な反応を見せるようになったという。父ヤーソンさんは、「補聴器を付けた後の方が、ずっと豊かな反応を返してくれるようになりました」と話している。

以前、「視力に問題を抱えた赤ちゃんが、お母さんを初めてみたときの動画」をご紹介したが、言葉が話せない赤ちゃんだからこそ、初めてお母さんの姿を見て、その声を聞いた彼らのダイレクトな反応にジーンとしてしまうのだった。



引用元:
耳が不自由な赤ちゃんが初めてお母さんの声を聞いた瞬間 / お母さん「涙をこらえるのに必死だった……」(ロケットニュース24‎)