日本の母子健康手帳は、妊婦健診の受診率を上げるなどの有用性があることをモンゴルでの研究で実証したと、国立成育医療研究センター の森臨太郎・政策科学研究部長らのチームが発表した。
国内では母子保健の基本ツールとして約70年にわたって使われているが、手帳を配布した場合としない場合とで差を厳密に評価した研究は初めてという。20150421navi.jpgチームは、モンゴル政府が手帳の導入を検討し、日本の関係者に協力を要請したのを機に、2009〜10年にかけて研究を実施した。
まず、日本の手帳を翻訳してモンゴル語版を作製。次に同国北部のボルガン県にある18の村を無作為に9村ずつ2群に分け、片方の群で妊娠が分かった女性に使い方を指導した上で手帳を配布した。出産約1カ月後まで追跡し、妊婦や新生児の健康に関するさまざまな項目を両群で比較した。両群とも約250人が参加、参加時の年齢も平均27歳と差はなかった。
モンゴルで妊婦は計6回の健診を受けるよう求められるが、すべて受診した妊婦の割合は、手帳が配布された村で82%に達し、配布なしの村(71%)を上回った。ただし貧しい家庭では受診率向上に結びついていなかった。手帳が配布された村ではこのほか、妊娠合併症の発見率が高まり、家族の喫煙率が減少する効果も見られた。
母子健康手帳は、母親の妊娠中から子どもの乳幼児期まで、健診結果や身長・体重、予防接種の記録といった重要な健康情報を1冊で管理できるのが特長。日本が行う発展途上国の保健支援にも活用されてきた。モンゴル政府はこの研究終了後間もなく、本格的に手帳を導入した。
引用元:
母子手帳やっぱり有用 モンゴルでの研究で実証(47NEWS)