乳がんや卵巣がんになりやすくなるという遺伝子BRCA1とBRCA2では、突然変異のタイプや位置によってリスクに差があるようだ。

 突然変異もさらに詳しく調べると、より正しくリスクを判定できるかもしれない。

 米国ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院とCIMBAコンソーシアム(ケンブリッジ大学のBRCA1/BRCA2研究グループ)を含む研究グループが、有力医学誌ジャマ(JAMA)の2015年4月号で報告した。

3万人以上を調査
 腫瘍抑制遺伝子BRCA1とBRCA2に変異があると乳がんと卵巣がんのリスクが高くなり、女優のアンジェリーナ・ジョリーがこの遺伝子を持っているために乳腺切除したことで話題になった。

 しかし、BRCA1、BRCA2の特定の突然変異とがんリスクとに関連性があるかどうかについての情報は少ない。

 研究グループは、6大陸にわたる33カ国55カ所の医療センターから、BRCA1変異を持つ2万人弱とBRCA2変異を持つ1万2000人弱を対象に、突然変異のタイプ、機能、DNAの並びに当たる「塩基配列」での位置について乳がんや卵巣がんのリスクを調べた。

変異集中領域がある
 その結果、BRCA1変異を持つ人では46%が乳がん、12%が卵巣がん、5%が両方のがんになった。BRCA2変異を持つ人では52%が乳がん、6%が卵巣がん、2%が両方のがんになった。

 DNAの塩基配列の中でリスクが特に高くなる突然変異の場所があると分かった。BRCA1では、乳がんのリスクが高くなる塩基配列の突然変異が集中している領域が3つあった。卵巣がんのリスクが高くなる変異集中領域1つがあると判明した。

 BRCA2についても、乳がんのリスクが高くなる塩基配列の変異が集中している領域が3つあった。卵巣がんのリスクが高くなる変異集中領域3つがあると判明した。

「ナンセンス変異」は乳がんに関係
 ナンセンス変異と呼ばれる、たんぱく質が正常に生成されなくなるタイプの変異が、乳がんと卵巣がんリスクの違いに関連し、BRCA1/2の変異はいずれも、早い年齢での乳がんに関連した。

 BRCA1/2変異のタイプ、DNA上の塩基配列上の場所によって乳がんと卵巣がんのリスクが異なるという結果。さらに確認すればリスク評価や予防処置の判断に有益と思われる。

 同じ突然変異でも一筋縄ではいかないわけだ。



文献情報
Rebbeck TR et al. Association of type and location of BRCA1 and BRCA2 mutations with risk of breast and ovarian cancer. JAMA. 2015 Apr;313:1347-61.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25849179




引用元:
乳がんや卵巣がんのリスクは遺伝子変異のタイプで異なる、突然変異にもいろいろある (Medエッジ)