小規模な保育施設などで、保育士の補助として働く「子育て支援員」の制度が4月から導入された。専業主婦などが一定の研修を受けることで、子育て支援の担い手となることが期待されている。

認定制度スタート

 「子育て支援員」制度は、国が設けた全国共通の認定制度。14〜30時間程度の講義や保育現場の実習・見学などの研修を修了すると、「子育て支援員」と認定される。

 研修が始まるのはこれからだが、モデルになった取り組みがある。

 東京都港区のNPO法人「あい・ぽーとステーション」は2005年1月から、同区や千代田区、千葉県浦安市などと連携して「子育て・家族支援者」養成講座を開き、これまでに約1400人を認定している。

 ここで認定を受けた千代田区の内藤圭子さん(61)は、同区の「家庭的保育室」などで働く。「保育ママ」と言われる小規模な保育施設で、保育者2人で、0〜2歳の子5人を預かっている。「子どもを預けて働き始めたお母さんの生き生きした笑顔を見るのがうれしい」という。

 安藤幸子さん(68)は、港区の「子育てひろば あい・ぽーと」で週2、3日働く。就学前の子どもを育てている親のための交流スペースで、新しい利用者の案内をしたり、子育ての相談に応じたりしている。

 待機児童解消に向け、今後、小規模な保育施設が増えることが見込まれる。しかし、保育士不足は深刻な状況だ。

 このため、国は、「あい・ぽーとステーション」の事例などを参考に、「子育て支援員」の制度を設けた。子育て経験のある専業主婦や、定年退職後の意欲のある男女が研修を受け、保育の担い手となるという構想だ。

 子育て支援員の資格を取ることが義務づけられるのは、「家庭的保育(保育ママ)」や6〜19人の子どもを預かる「小規模保育」など4種類の保育事業で、4月以降に保育従事者として働き始める人。そのほか、放課後児童クラブなどでも働くことが想定されている。

 子育て支援員の研修は市町村や都道府県が行い、受講費はほとんどかからない見込み。ただ、自治体が、人材確保の必要がないと判断すれば、研修を行わないこともある。

 子育て支援員の収入は、小規模保育でフルタイムで働く場合、年収250万円程度が想定されている。

 千代田区では今年度、家庭的保育室の保育従事者の研修を従来通りに実施し、区が子育て支援員と認定する予定。福岡市では、国の定めた内容での研修を3月に先行して実施し、今後、修了者の認定を行う。

 大阪市は、これまで家庭的保育と小規模保育の従事者に行ってきた研修を、国の定めた内容に一部変更する形で今年度も引き続き実施する。5月にも受講者を募集する予定。

 子育て支援に詳しい白梅学園大学長の汐見稔幸(しおみとしゆき)さんは、「研修を受けた女性が、社会参加できるようになるのはいいこと。ただ、子どもの命を預かるだけに、保育者としての能力は重要だ。自治体はきちんとした研修を行ってほしい」と話している。(針原陽子)

(2015年4月18日 読売新聞)



引用元:
「子育て支援員」広がるか…主婦や退職者ら、保育の担い手に  (yomi Dr.)