【ママからのご相談】
春から子どもが幼稚園に入園します。はじめての集団生活ということもあって、病気をしやすくなることも多いのではないかとドキドキしています。春先にはどんな病気が流行するのか教えて下さい。 病気を見分ける症状や予防法についても知りたいです。

●A. 春に流行する病気で子どもに多いものは、水ぼうそう、はしか、風疹、溶連菌感染症などです。予防接種をしましょう。

ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。

春といえば、大人の場合は花粉症に悩まされる人も多いでしょう。子どもの場合も最近は花粉症に罹患する子が増えていますが、そういった慢性的なアレルギー症状ではなく、春という季節柄、どんな子どもにもかかる可能性のある流行性の病気についてご紹介しましょう。

●春は体調を崩す人が多い?

子どもに限らず、春は体調を崩す人が多いと言われていますが、これはどうしてなのでしょうか。実は、冬が終わり春になって、どんどん気温が上昇してくると、気温の変化についていけず体調を崩す人が増えるのです。特に春先は暖かい日と寒いが交互にきたり寒暖差も大きくなるせいもあります。

また、入園や入学、就職、転居のシーズンで、これまでとは違った新しい環境に適応するまでの間も、大人も子どもも心身ともにストレスや疲労を感じやすくなり、細菌やウイルスへの抵抗力が弱まります。

この2つの原因から、気温が低くなったときなどに周りに風邪の人がいると感染が拡大しやすくなってしまうのです。

●春に多い子どもの病気4つ

春という季節柄、気温の変化や環境によるストレスが免疫に影響を及ぼすことも流行に拍車をかける一因になります。しかし統計データ的にも毎年春になると流行する子どもに多い病気というものがあります。例えば厚生労働省では春に流行する感染症として次の病気を紹介しています。

●(1)水ぼうそう

水ぼうそうは、ヘルペスウイルスが原因で発症する感染症です。冬から春にかけて流行することが多く、感染すると小さな赤い発疹が全身に現れ、水ぶくれができるのが特徴です。任意接種になりますが、心配な場合は予防接種を受けることで感染したときの症状の悪化を防ぐことができます。

●(2)はしか(麻しん)

はしかは、麻疹(麻しん)ウイルスが原因で発症する感染症です。春から初夏にかけて流行し、38度程度の発熱と全身の発疹を伴います。また、口の中に小さな白い斑点ができたり、目の充血が特徴的です。

子どもに多い病気とされていましたが、最近は大人でもかかる人が増えているため、定期の予防接種を適切な時期に受け、予防に努めることが大切です。はしかの予防接種は麻しん・風しん混合ワクチン(MR)と呼ばれ、子どもの定期接種に組み込まれています。

●(3)風しん

俗に、「三日はしか」とも呼ばれている風疹ウイルスが原因の感染症です。春から初夏にかけて流行することが多く、最近では、“はしか”とともに大人の患者も増加しています。症状は発熱、リンパ節の腫れと、淡紅色の発疹がまず顔に現れ全身に広がっていくのが特徴です。

基本的に予後は良好ですが、まれに脳炎などの合併症を起こしたり、妊娠初期に感染すると胎児に影響し、先天性心疾患や難聴となる可能性があるため、定期接種(麻しんとの混合ワクチン)を受けておきましょう。

●(4)溶連菌感染症

溶連菌感染症は、新学期の時期やゴールデンウイークの前後に流行する溶血性連鎖球菌が原因の感染症です。喉の痛みや発熱といった風邪によく似た症状とイチゴのように舌が赤くなるのが特徴でまれに発疹がでることもあります。

ワクチンは開発されていないため、症状が現れたら早めに小児科を受診し、腎炎やリウマチ熱などの合併症を予防するためにも抗生物質を医師の指示通り約10日間服用し、しっかりと治るまで治療をすることが大切です。

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いかがでしたか。春は新学期でドキドキワクワクする季節ですが、それと同時にストレスも感じやすい季節です。

春休みに入ったからといって夜更かしや外食に偏り過ぎないようにして、栄養バランスの整った食事や十分な睡眠をとり、規則正しい生活を意識するようにしましょう。

【参考リンク】
・春に多い病気 | N.キッズレディースクリニック

●ライター/MAKI(健康・美容ライター)
患者さんと直接対面して接客する機会の多い職場を希望し、調剤薬局やドラッグストアで薬剤師として勤務。大手化粧品会社の勉強会などにも積極的に参加し、美容分野の知識を深める。結婚を機に退職。単なる職場復帰とは違う新しい働き方を模索し、現在は育児のかたわら、資格や経験を活かしてフリーのママライターとして活動中。医療・美容分野だけにこだわらず、様々なジャンルのコラムも執筆する。





引用元:
新学期のストレスも原因? 春に子どもが感染しやすい病気と予防法4つ (マイナビニュース)