映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった北海道南富良野町は、子ども医療費の助成が日本で最も長く受けられる。2011年8月、町はそれまで小学生未満だった通院の助成を22歳の大学生や専門学校生まで広げ、無料化した。
町に大学や専門学校はない。だが、子が進学で札幌や東京へ転出しても、町内に住んでいる親が町に申請すれば、自己負担分が全額返ってくる。
親の評価は高い。19歳の娘が札幌市内の専門学校に通う40代の女性は「娘が同級生からうらやましがられ、喜んでいる。将来、家庭を持って住む場所を考える時に、娘はこの制度を思い出すのでは」と言う。アトピー性皮膚炎の息子がいる別の20代の母親は「1年でも長いと家計が助かる」。
5歳以下の子どもは町の人口の約4%だったが、22歳まで広げると約17%に達し、予算は約200万円から約1千万円に膨らんだ。予算規模40億円の町には少なくない金額。町保健福祉課の小田隆広係長は「小さな町で、どの子も町の子という意識があるから思い切ったことができた」と話す。
手厚い助成を呼び水に、人口減に歯止めをかける期待もあった。1970年の人口6868人は、今は2640人。町内の高校を卒業後、多くの子は進学や就職で町を離れざるを得ない。大学生まで医療費を無料化した後も人口は約200人減った。それでも町は15〜39歳を年6人ずつ増やし、7年後も2500人台を維持する目標を掲げる。
引用元:
子ども医療費、助成拡大合戦 過疎の町・大都市