小児・思春期の糖尿病は成人と同じく、(1)1型糖尿病(2)2型糖尿病(3)その他の特定の機序、疾患によるもの(4)妊娠糖尿病――に大別されますが、小児期発症の糖尿病はほぼ1型糖尿病になります。
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1型糖尿病は、膵臓(すいぞう)のインスリンをつくる細胞が破壊されてしまうことで発症します。インスリンはブドウ糖などの栄養を体の中に取り込む働きをしていますので、欠乏すると飢餓状態となり、(治療しないと)最終的には「死」を迎えることとなります。したがって、発症とともに速やかなインスリン治療を始めることが「生きるため」に必要となります。
1型糖尿病は生活習慣とは関係なく発症し、発症時から頻回のインスリン注射を必要とします。しかし、乳幼児期発症のこどもは自らインスリン注射を行うことができないため、保護者、とくに母親に依存することになります。
この時期は食事量・運動量が一定しないため血糖値は変動しやすく、かつ重症低血糖を起こしやすい、患児が低血糖を訴えることができない、などの理由から保護者の不安はとても大きいものとなっています。
保護者は、育児不安に加えて糖尿病の管理という負担を背負うことから、家族全体での支援、そして周囲の1型糖尿病に対する正しい理解がとても大切になります。
さらに、学齢期では学校側に病気の説明をして教師の理解を得るとともに、集団生活で疎外感をもたずに糖尿病治療(インスリン注射と血糖測定)が継続できるような環境づくりをしなくてはいけません。
一方、思春期になると1型糖尿病よりも2型糖尿病の発症が増えてきます。若年発症の2型糖尿病は1型糖尿病と異なり、その多くが生活習慣の問題から起こる「肥満」を合併しています。また、糖尿病の家族歴が濃厚(両親、あるいは親のどちらかが糖尿病)であることも明らかです。
つまり、遺伝的素因に加えて生活習慣に問題のある家庭に育つと、若くして糖尿病を発症することになります。家庭における生活習慣の是正が、糖尿病患者である親の血糖コントロールの改善だけでなく、その子の糖尿病発症を防ぐと考えられます。
さらに、図に示すように若年発症2型糖尿病患者は、同様に若くして発症した1型糖尿病患者に比べて、合併症の発症と進行はかなり早いことが示されています。
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2型糖尿病は1型糖尿病と異なり、そのほとんどが食事療法および運動療法の実践で改善しますが、「軽症」と勘違いをして治療を中断される方が多くみられます。「後悔先に立たず」というように、継続した治療がとても大切です。
また、1型糖尿病患者も思春期に多くの問題を抱えています。結婚に際してのパートナーとその家族の病気に対する理解の乏しさ、就職での不利な扱いなどが挙げられます。
その多くは、1型糖尿病に対する理解が不十分なために起きています。この機会に、できるだけ多くの方々にこの病気に対する理解を深めていただけたら幸いです。
引用元:
小児・思春期での発症(朝日新聞)