安倍政権の日本の成長戦略のひとつに"女性の就業率向上"が掲げられ、就業率の低い子育て世代の女性の活用に焦点が当てられている。政策として待機児童の解消、女性役員・管理職の増加、現場復帰・再就職の支援などが挙げられているが、政府のみならず、企業や民間、地域など様々な角度から、子どもを持つ女性が働きやすい社会を作っていくことが求められている。

 世界経済フォーラム(通称ダボス会議)により組織されるグローバルシェイパーズコミュニティ・東京ハブは、働きながら育児を行う女性の移動を支援するプロジェクト「はたらくママのための育児タクシー」を始動した。日本交通株式会社、ヘイロー株式会社と連携し、コカ・コーラ財団の協賛、国土交通省の後援を受け、東京と大阪で展開する。

 「子どもが急病にかかり、夜間に病院に行かなくてはいけない…」「子どもを保育園に送っていく時間がない…」「ベビーカーや荷物を抱えての買い物も一苦労…」

 子育てをしながら働く女性たちの移動に関するそんな悩みを解決するために、タクシーを利用してもらおうとプロジェクトを始動させた。具体的には、東京では日本交通、大阪ではヘイローのスマホ用タクシー配車アプリを利用し、2タップで「ママタクシー」を呼び出す。すると5分〜10分ほどで位置情報システムによって確認された家の前まで「ママタクシー認定ドライバー」によるタクシーが手配され、ドアtoドアの移動が可能になる。「ママタクシー認定ドライバー」とは、乗降のサポート、ベビーカーの積み下ろしのお手伝い、小さな子どもが乗車する際の心構えなど、マニュアルに沿ったトレーニングを受け、子連れの利用者に対応できるドライバーだ。値段は特別料金等はなく、通常の迎車料金と運賃で利用できる。なお、このプロジェクトでは、働くママがタクシーを使うきっかけになるよう、2000組に1500円の割引クーポンを配布する。

 2015年4月9日に開かれた記者発表会で、関係者たちはそれぞれの立場から、プロジェクトに対する意気込みを語った。

  「世界経済フォーラムが毎年公表する『世界男女格差レポート』の2014年度版において、日本の男女格差指数は142ヵ国中104位という低水準となっています。グローバルシェイパーズとしても、女性の活躍をエンパワメントすることが、日本、世界への貢献につながると思い、本プロジェクトを始動させました」(ヘイロー株式会社 代表取締役社長・グローバルシェイパーズ東京ハブ/梅澤亮氏)

 「移動手段として潜在的なニーズがあるはずなのに、なかなかアプローチできていない現状があります。挨拶をする、シートベルトの着用を促す、乗車のサポートをするといったような当たり前のことができるか否かも、ドライバーによる個人差があるというのが実態です。今回のプロジェクトによって、子連れのお客様に対するドライバーの教育をし、働くママへに利用していただく一歩としたい」(日本交通株式会社代表取締役/川鍋一朗氏)

 「企業として、社会貢献は当たり前に果たさなければいけないという意味で、CSRという考え方はもう古い。社会が抱えている課題を、企業と政府、民間のコミュニティで一緒に解決していく時代。コカ・コーラ財団としても「5by20」というプログラムを通じて、2020年までに全世界で500万人の女性の経済的なエンパワメントを支援していますが、女性の活躍なくして、日本の未来はないと思います」(日本コカ・コーラ株式会社 広報・パブリックアフェアーズ本部 統括部長/Arseny Chuk Besher氏)

 「政府としても、女性活躍支援の一環として、女性が外出、移動をしやすい環境を整えていきたいと思っています。私自身も子育てをしながら霞が関で働いており、何度もタクシーにお世話になりました。フレキシブルにドアtoドアで移動できるのはとても便利です。ですが、なかなか捕まらない、対応にドライバーの個人差があるなど不満もありました。今回のプロジェクトで少しでもそれらが解消されれば嬉しく思います」(国土交通省 総合政策局 安心生活政策課 企画官/奈良和美氏)

 本プロジェクトは4月15日開始予定。詳細は、ママタクシー特設サイト(http://www.gsctokyo.com/mamataxi/)まで。

引用元:
スマホで呼べる!「はたらくママのための育児タクシー」が東京と大阪で始動!(現代ビジネス)