モンゴルで日本の母子健康手帳を試験的に配布した村の妊婦は、配布していない村の妊婦に比べ、妊婦健診の受診率が向上し、妊娠に伴う合併症の発見率も高まったとする研究結果を、国立成育医療研究センターのチームが8日付の米科学誌プロスワンに発表する。モンゴルでは現在、全国で母子手帳が配布されるようになり、その表紙の色から「ピンクブック」と呼ばれているという。

 同センターはモンゴル保健省と共同で、日本の母子手帳の内容をもとにモンゴル版を作製した。

 2009年と10年、ある地域の18村を二つに分け、一方だけ母子手帳を配布し、妊婦の健康状況などを比較した。6回ある妊婦健診の受診率は、配布しなかった村が71%だったのに対し、配布した村では82%と10ポイント以上高かった。

 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症も2・5倍多く見つかった。また、夫など家族の喫煙も16%減少した。

 こうした結果について、森臨太郎・同センター研究所政策科学研究部長は「母子手帳によって、妊婦や家族の健康意識が高まったからではないか」と話す

引用元:
<日本の母子手帳>モンゴルで効果 受診増加、喫煙減(毎日新聞)