新生児集中治療室(NICU)で働く新生児科医の人数は、都道府県により最大で4倍の格差があることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 平均年齢の差は最大8歳だった。高齢出産の増加などで出生時の体重が2500グラム未満の低出生体重児が増えており、研究班は「地域によっては新生児科医療が破綻しかねない」と危惧している。

 研究班メンバーの楠田聡・東京女子医大母子総合医療センター教授らが、日本未熟児新生児学会の会員医師2707人について、人数や年齢などを分析した。

 その結果、出生数1000当たりの人数が最も多いのは香川で5・8人、最も少ないのは茨城で1・4人だった。平均年齢が最も高いのは山形で46歳、最も低いのは熊本で38歳だった。

 人数と年齢を総合して分析すると、山形、奈良、山口は医師が少なく、年齢も高かった。楠田教授は「NICUの病床数は全国的に増えているが、人材育成が追いつかず、新生児科医の育成を急ぐ必要がある。これらの県は、特に注意が必要」と話している。

 一方、人数、平均年齢とも体制が充実しているのは、香川、鳥取、京都、東京の4都府県だった。

(2015年4月2日 読売新聞)


引用元:
新生児医の偏在、格差4倍に…人材育成に遅れ (ヨミドクター)