京都の乳がん患者や家族らが、がんで乳房を失った人たちに向けたオーダーメードの人工乳房作りに励んでいる。乳がんと闘う母親と娘が、亀岡市内に会社を設立した。工房では乳がんを克服して再出発を期す女性も加わり、「乳房を失った人たちに寄り添いたい」と心身両面のサポートを目指している。
乳房の受注生産を中心とした「ブレストケア京都」。林かおりさん(44)が代表を務める。母親の森田ひろみさん(64)が乳房を失い再建手術ができなかったことをきっかけに、名古屋市の人工乳房製作会社で技術を習得した。昨年秋に独立起業し、当事者である森田さんがアドバイザーとして経営をサポートする。
人工乳房は、乳がんで切除した胸に貼り付けるシリコン製の乳房で、取り外しができる。再建できずに失ったままの人や、再建に失敗した人たちからのニーズはあるが、製作者の育成が課題という。
林さんらは、一人一人の型を取り、体に合う人工乳房を手作りする。がん患者や家族ら3人が工房に通い、製作の講習を受けている。乳がんで離職を余儀なくされ、工房で修業する渡辺祐子さん(55)=亀岡市=は「自分にできることが何かないか、ずっと考えていた。この仕事を通して、乳房を失った人に寄り添っていきたい」と語る。
林さんは「患者さんやご家族の声を聞き、一緒に考えながらニーズに応えられるような事業展開を考えたい。雇用や生きがいづくりにもつながれば」と話す。森田さんは「乳房切除後は女性としての喪失感が大きかったけれど、人工乳房に出合って前向きになれた。同じような思いの人の力になりたい」と言い、乳がん当事者の立場で相談に応じるピアサポート事業の展開も視野に入れる。
4月から、京都市下京区河原町通四条下ルで相談窓口を開設する。問い合わせはブレストケア京都TEL0771(56)8590。
引用元:
乳房喪失、私が作る 京都のがん患者、家族らが工房(京都(京都新聞))