「子ども・子育て支援新制度」では、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園を、就学前の子どもの施設の柱に位置づけている。
親の就労に関係なく子どもたちは同じ教育、保育が受けられる。認可手続きを簡素化するなどして、その普及を図る。
秋田市の聖霊女子短大付属幼稚園は4月から、認定こども園になる。3〜5歳の幼稚園児80人に加え、0〜2歳児8人を新たに預かる。園舎の2階を改装し、2階を0〜2歳児、1階を3歳以上の園児が利用。設置義務のある給食室も設けた。
「少子化で幼稚園児が減っており、経営的に危機感を持っている。一方で共働きの増加で低年齢児の保育のニーズは高く、幼保一体化のこども園に移行した」。園を運営する学校法人の事務局長村山恒平さんは、こう説明する。
保育時間は午後6時半までで、幼稚園は午後2時まで。低年齢児と幼稚園児がホールで歌や踊りをしたり、運動会などの行事も合同で行ったりする予定だ。「0歳から一貫した教育ができる。異なる年齢の集団保育で社会性を育てられる」と村山さんは期待する。次女(3)を同園に通わせている自営業の女性(40)も、「地域で子どもが減る中で、幅広い年齢の子どもと触れ合えるのはいい経験になる。親が働いているかどうかに関係なく子どもが一緒に過ごせる環境も好ましい」と話す。
秋田県は就学前の教育を充実させるため、幼稚園や保育所のこども園への移行を推進している。2015年度には53園になる予定で、このうち私立幼稚園からの移行が39園。20年度にはこども園を68園にするのが目標だ。
希望者の選考できず…園側に不満も
こども園への移行が待機児童解消につながると期待されている一方で、都市部を中心に増設には課題もある。
昨年4月時点での待機児童が132人だった大阪府豊中市は4月、公立の幼稚園と保育所全26施設を認定こども園へ移行させ、私立の幼稚園、保育所も11園が移行する。
待機児童の多い0〜2歳児の定員を増やすため、既存の私立幼稚園にこども園への移行を奨励し、新規参入も促している。ところが、都市部で利用できる土地が少ない上、地価も高いため用地確保が壁になっている。同市保育幼稚園室は「市有地の活用も考えていく」とする。
認定を返上するケースもある。東京都では、こども園104園のうち10園以上が15年度の認定を返上する見込みだ。新たに認定を受ける園が少ないため、新制度になっても全体数が減りそうだという。
東京都練馬区ではこども園5園のうち3園が、15年度の認定を返上する。理由のひとつは、入園の選考方法だ。これまで利用者が直接、園に申し込んでいたのが、新制度では自治体に申し込み、利用希望が多ければ自治体が入所調整をする。認定を返上する園の園長は、「園の教育方針に従って入園の選考をしてきたのが、行政の決めた利用者を必ず受け入れるよう求められる」と不満をもらす。
関西大教授の山縣文治さん(子ども家庭福祉)は、「認定こども園は、地域の子育て支援の中心となり得る施設。新制度でのこども園の位置づけが利用者に理解されれば、広がるだろう。そのためにも魅力ある教育、保育内容のこども園づくりが重要だ」と指摘している。
認定こども園 2006年に制度化され、08年度から5年間で2000か所以上の整備を目標にしていた。所管が文部科学省と厚生労働省にまたがっていて運営が複雑などの理由で広がらず、14年4月現在で1359か所にとどまっている。新制度では、内閣府に窓口が一本化される。
引用元:
「認定こども園」の普及図る(読売新聞)