ブルーベリーや赤ワインなどの成分で、レスベラトロールと呼ばれるポリフェノールの仲間「プテロスチルベン」が乳がんの広がっていくプロセスを邪魔する効果を持つ可能性が示された。
台湾の台北医科大学を中心とする研究グループは、その結果を栄養生化学の専門誌、ジャーナル・オブ・ニュートリショナル・バイオケミストリー誌オンライン版で2015年3月6日に報告した。
がんへの関与を検証
発展途上国の女性において、がん関連の死亡の主要原因は乳がんだ。乳房悪性腫瘍の95%以上が「上皮」と呼ばれる母乳を運ぶ管の細胞から出てくる。乳がんでは、「上皮間葉転換」によって転移プロセスが開始することが示されている(「上皮間葉転換(EMT)」により薬が効かなくなったがん、2種の薬の併用が効果ありを参照)。通常動かない上皮性のがん細胞が「間葉系細胞」という動き回れる細胞のように変化して転移を起こしやすくなった状態を言う。
研究グループは、乳がん細胞の上皮間葉転換を調節するプロセスにおいてプテロスチルベンの抗転移能を試験管レベル、動物実験レベルで検証した。
分子レベルの変化を確認
その結果、プテロスチルベンは上皮間葉転換プロセスに関与するEカドヘリンを増やす一方で、スネイル(Snail)、スラグ(Slug)、ビメンチン、ZEB1を減らすことで、がん細胞が移動する能力と広がっていく能力を邪魔していた。
さらに、プテロスチルベン処理した乳がん細胞では、遺伝子の活動を調節する「miR-205」が著しく増えており、その結果、がん遺伝子「Src」の活動が低下していた。
プテロスチルベンを上皮間葉転換プロセスを押さえる補助的な治療に使える可能性があると研究グループは見ている。
基礎的な実験ではあるものの、人間の病気との関係にもつながるかもしれない。
文献情報
Su CM et al.Pterostilbene inhibits triple-negative breast cancer metastasis via inducing microRNA-205 expression and negatively modulates epithelial-to-mesenchymal transition.J Nutr Biochem. 2015 Mar 6 [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25792283
引用元:
ブルーベリーや赤ワインなどの成分、乳がんの転移を阻害??(Medエッジ)