米国のデータによると、乳がん治療後に甲状腺がんのリスク増加が見られると分かった。

 特に放射線治療を受けた人は、甲状腺がんの検査を受ける方がいいようだ。

 米国コロンビア大学医療センターを含む研究グループが、米国内分泌学会の第97回年次会議(ENDO 2015)で2015年3月5日に報告した。

広域データベースを分析
 従来、小さな規模の研究で報告されたことがあった。乳がんの人で甲状腺がんの発生率が高くなると、1カ所の医療機関の研究報告で見られた程度だった。

 研究グループは今回、より大規模に米国立がん研究所が行っている米国各地のがん登録を統合するプログラム(SEER)の9地域にわたるデータベースを用いて、1973〜2011年の乳がんと甲状腺がんの登録データを分析した。

治療後5年の発症が多い
 乳がんのみの人が約70万人、甲状腺がんのみの人が約5万人、乳がん後に甲状腺がんを発症した人は約1500人だった。

 研究グループは、分析の結果、乳がんから甲状腺がんに移行する人の割合は、一般的な集団から甲状腺がんに発展する頻度と比べると高いと計算できたと説明している。

 乳がんの後に甲状腺がんを発症した人は、乳がんのみの人より乳がん診断時の平均年齢が若かった。

 がんの種類としては、両方のがんになった人では、浸潤性乳管がん(最も多いタイプの乳がん)が多く、がんが小さく、放射線治療を受けているという特徴があった。

 研究グループによると、頭部、首、胸部の放射線治療は甲状腺がんの危険因子であることが知られている。

 乳がん治療後5年を中心とした期間を開けて乳がんを発症していたため、特に放射線治療を受けた人は、甲状腺がん特定の検査を受けるよう勧めている。

甲状腺がんのリスクを知る
 なお、さらに細かな特徴としては、乳がんの悪性度に関係する「ホルモン受容体陽性(がん細胞がホルモン受容体を持っている)」「リンパ節転移」は、甲状腺がん発症リスクに差がなかった。

 甲状腺がんのみの人に比べて、乳がん治療後の発症では侵襲性の強いタイプの確率が高かった。がんは小さい傾向があり、甲状腺がんの治療で行われる「放射性ヨウ素治療」を受けた人は少なかった。

 女性は甲状腺がんと乳がん両方のリスクが高いと分かっている。乳がん治療後の女性は、甲状腺がんの検査を受ける方が良さそうだ。



引用元:
乳がん治療後に甲状腺がんのリスク増加、米国コロンビア大学が報告(Medエッジ)