日本では年間2,500人の方が亡くなっているといわれる子宮頸がん。20代・30代の子宮頸がんの罹患率は、がんの中で最も高いそうです。

「子宮頸がん予防ワクチンを接種して、がんを予防しよう!」と考える方は少なくないですが、がんそのものへの予防効果はまだ確認されていないことをご存じでしたか?

今回は、『近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来』の医師・近藤誠さんの著書『クスリに殺されない47の心得』などを参考に、子宮頸がん予防ワクチンのリスクと対策をご紹介します!



■欧米では“ヒトパピローマウイルス・ワクチン”と呼ばれている

現在、厚生労働省では予防接種対象者への積極的な接種勧奨を差し控えている“子宮頸がん予防ワクチン”。同著によれば、この名称で呼ばれているのは日本だけで、欧米で使われている正しい呼称は“ヒトパピローマウイルス・ワクチン”とのこと。

<実体は、感染症の予防ワクチンにすぎず、本物の子宮頸がんの予防に役立ったというデータはひとつもありません。>

厚労省のHPでも、「子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ確認されていない」と記載されています。



■このワクチンは何に予防効果があるの?

上記のとおり、子宮頸がんの予防効果はまだ確認されていないとのことですが、では一体、このワクチンは何に対して予防効果があるのでしょうか?

厚労省のHPによれば、

<(略)ワクチン接種により、ワクチンが対象としているウイルスによるがんの前段階の病変への罹患リスクを90%以上減らすことができると報告されており、子宮頸がんの予防も期待されています。 >

と記載されています。

子宮頸がんの発生は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因によって起こるといわれています。ワクチンを接種することによって、“HPVの感染”予防の効果があり、結果として、がんの予防も期待されている段階ということですね。



■接種後の“副反応”についても知っておこう!

子宮頸がん予防ワクチンは2009年から発売が開始され、比較的新しいワクチンです。そのため、費用対効果など検討段階といっても過言ではありません。

近藤さんの著書によれば、副反応としては以下のものがあるとのことです。

<疼痛(痛み)、失神、じんましん、発熱、おう吐、頭痛、めまい、倦怠感、感覚まひ、血圧低下、全身ショック症状アナフィラキシーによる呼吸困難、チアノーゼ(血液中の酸素濃度が下がり、爪やくちびるが紫色に見える)、脳波異常……。

難病の筋無力症、ギランバレー症候群(運動神経の障害で手足が動かなくなる)などに見舞われ、苦しみ続けている子どももいます。>

接種してから数週間後に具合が悪くなるケースもあるそうなので、 ワクチンの“副反応”をよく知ったうえで、“打つ・打たない”を慎重に検討したいところでしょう。



■定期的ながん検診が大切

子宮頸がんというと、恐ろしいイメージのように思われますよね。厚労省のHPによると、HPVは“2年以内”に自然に排出されると考えられているとのこと。また、定期的ながん検診を受けることで早期の段階で、がんになる過程の異常や、ごく早期のがんを発見できるそうです。

早期の段階であれば、治療により比較的治癒しやすいがんとされています。市区町村で子宮がん検診を実施している自治体も多いので、定期的に受けるようにしましょう。



以上、子宮頸がん予防ワクチンのリスクと対策をご紹介しましたが、いかがでしたか?

HPVの感染経路は性行為といわれており、コンドームの使用でリスクが下がるという報告もあるそうです。親としては、子どもに適切な段階で、正しい性教育をする必要があるかもしれませんね。ご参考にしてみてください。



引用元:
本当に打っていいの?「子宮頸がん予防ワクチン」のリスクと対策 (アメーバニュース)