妊娠・出産を理由に、降格や解雇などをする「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)が後を絶たない。これまでは働き手が企業側の違法性を立証しなければならない実態だったが、厚生労働省は、妊娠・出産と降格などの時期が近ければ「違法」と原則判断するように全国の労働局に通達を出した。マタハラをめぐる対応は変わるのか。




 ■働き手、立証の負担減 育休からの職場復帰を間近に控えた昨年春。都内に住む30代の女性は、勤め先の上司から自宅近くの喫茶店へ呼び出され、「率直に言って、戻るところはない」と告げられた。
 勤めていた会社で女性社員が出産するのは初めてだったが、半年間の産休・育休をとるまでスムーズに進んでいただけに、言葉を失った。理由をたずねても、「社長の気が変わったから、戻すことはできない」の一点張りだった。
 労働局に駆け込んだが解決せず、弁護士に相談して会社側と争うことになった。会社側は、解雇の理由に「能力がない」「勤務態度が悪い」などを挙げてきた。
 女性は「出産が理由だと証明するために、会社側との電話のやりとりの録音を書き起こし、証拠として出すなどとても苦労した」と話す。昨秋、出産を理由にしたマタハラだという女性の主張が裁判所で認められた。ただ、この職場で働き続けるのは難しいと考え、いまは別の会社で働く。
 マタハラをめぐって各地の労働局に寄せられた相談は、2013年度は3371件と、前年度より2割弱増えた。マタハラ被害では、会社側が解雇などの理由について「本人の能力がない」などを理由にするケースも少なくない。
 男女雇用機会均等法は「妊娠・出産を理由にした」降格や解雇、契約打ち切りなどの働き手にとって不利益になる取り扱いを禁じている。違法と判断されたくない会社側は、出産や妊娠との因果関係を否定してくるという。
 ■最高裁判決きっかけ
厚生労働省が1月に出したマタニティー・ハラスメントについての通達

 厚労省は1月、全国の労働局にマタハラに関する通達を出した。


引用元:
「妊娠で降格」 時期近ければ「違法」 厚労省が通達(朝日新聞)