赤ちゃんに安心して与えられる食品を提供しようと、龍谷大の学生4人が、農薬を使わずに育てられた野菜を原料にしたベビーフードの製造販売会社を設立した。




 安全でも割高などの理由で売れにくい現状を知ったのがきっかけ。社長の政策学部4年武村幸奈さん(22)(滋賀県湖南市)は「お母さんと農家さんの力になりたい」と意気込んでいる。

 社名は「はたけのみかた」。安全な野菜作りに励む農家の「味方」になり、野菜への「見方」を変えたいとの願いを込めた。武村さんは高校時代から人の役に立つ事業をしたいとの思いが強く、昨年11月、同級生ら計4人で起業。事務所は武村さんの実家に置いている。

 武村さんは1〜3年生のとき、農薬を使っていない野菜を伏見区の農家から仕入れ、キャンパスで近隣住民らに販売する課外プログラムに参加した。虫に食われているものもあるが、トマトやカブなど、どれもみずみずしく甘かった。ただ、栽培に手間がかかるため価格は高め。どうすれば魅力を伝えられるか考えたとき、野菜を買いに来た母親の「子供ができて安全な野菜に興味を持った」との言葉を思い出し、離乳期の赤ちゃん用のベビーフードに使うことを着想した。

 ベビーフード市場は少子化にもかかわらず規模が膨らみ、年245億円前後で推移。販売は、おかゆやうどんなど数百種類に及ぶ。ところが、研究のため、武村さんらが市販品を食べてみると、赤ちゃんには甘すぎると思えるものがあった。「殺菌処理しており、味は多少変化している」と答えるメーカーもあった。

 そこで、武村さんらは自社のベビーフードは原料だけでなく、無添加にもこだわることにした。旬の野菜を安定的に確保するため、農家約15軒に協力をお願いした。子供の成長に応じた適切な栄養分や分量を把握できるよう、栄養士や料理人からも助言を得た。

 4人は今春、卒業予定。現在、野菜のあんかけや野菜入り肉団子など商品の改良を進めており、夏にも販売を始める。消費者に安心してもらうため栽培農家の人たちの顔写真などを紹介するホームページも作る予定だ。武村さんは「ベビーフードを通じて、農家さんの野菜作りにかける情熱を知ってもらいたい」と話している。(川上大介)


引用元:
大学生が起業、無農薬離乳食(YOMIURI ONLINE)