「卒乳」は何歳までに済ませたらいいの? 次の子を妊娠したら“断乳”すべき?
そんなママの「授乳の疑問」について、医師が詳しく解説します。

■授乳=大切な親子の時間。
子供の脳の発達は、3歳までにおおむね決まるといわれています。
困難な出来事にあったとき、将来しんどい状況にぶつかったとき、その時に大切なのが3歳までの親子関係なのです。3歳までにしっかりと家族の愛を受け、たっぷりと甘えられる環境が整っていたら、精神的にも揺らぐことのない、しっかりした大人に成長します。

スキンシップを十分にとり、なおかつ子供が一番安心できる時というのは、実は授乳中の時間なのです。

■産後6ヶ月から、栄養分が減る!?
出産後すぐに出る初乳には、子どもが育っていくうえでとても大切な免疫機能が詰まっています。出産後6ヶ月ほどは免疫機能に寄与する栄養たっぷりの母乳が出ますが、その後は栄養分が減っていきます。なので、6ヶ月を境に断乳される医療従事者もいます。

しかし、授乳というのは、栄養面でのメリットだけでなく、肌の温かみ、お母さんとの大切なスキンシップの時間という面で、6ヶ月で止めるのは早すぎると考えます。

■授乳には、お母さんにもメリットが!
授乳による母子の信頼関係は、親子に多大な影響を与えます。授乳の際におっぱいからでる「オキシトシン」というホルモンは、お母さんをきれいにしたり、優しくしたりする効果があり、子供には、情緒を安定させる効果があるのです。

また、授乳をしっかり行った子供は自閉症になりにくい、というデータがあります。


■4歳までは授乳してOK!?
そもそも、絶対に卒乳しなければいけない時期というのは存在しません。
現在日本小児科学会では、4歳までの授乳が推奨されています。しかし、復帰や仕事の関係、次の妊娠でなかなか思うように授乳出来ないとの理由から、断乳するお母さんはたくさんいらっしゃいます。

実際には1歳で断乳される方が多いですが、環境さえ許すのであれば、4歳までは授乳されて良い、というのが今の小児科での考え方です。

結論を言えば、欲しがるうちは、お母様に甘えたいという欲求が強い時期と考え、無理して卒乳せず、1日1回でも、寝る前だけでも、出ていなくても継続させましょう。

■“ながら授乳”にご注意!
一つだけ注意していただきたいのが、授乳の仕方です。ただ、吸わせておけばよい、というものではありません。授乳中、スマホを触ったり、テレビを見たりと、“ながら授乳”をしないことです。

現在日本の研究で、
・“ながら授乳”で育てられた子供
・授乳に専念して育てられた子供
の育ち方には差がある、ということが明らかになってきました。

お母さんが授乳だけに専念した子供に比べ、“ながら授乳”で育った子供は、ADHD(注意多動性欠陥障害)や自閉症になる確率が高い、というデータです。

これは、授乳しながらお母様が他のことを考えていると、授乳の際にでるホルモンが少なくなり、子供は十分な愛情を感じられず、不安定になることがあるから、とのことです。

授乳の仕方一つをとってみても、育ち方にはずいぶん差が出るということですね。そのため、授乳をする際は、しっかりと子どもと見つめあう授乳タイムを大切にしてください。

■次の子を妊娠したら断乳すべき?
第二子妊娠を機に断乳するべきかをよく質問されますが、必ずしも断乳する必要はありません。

「授乳は子宮収縮させるため、流産の可能性が否定できない」と断乳するケースがほとんどですが、授乳していた方が、母子の精神が安定し、またそこからでるホルモンにより、胎児に幸福感を与えるとも言われています。

授乳で流産を起こすほどの子宮収縮は起こらないので、安心して授乳を継続させてください。

■可能な限り、母乳で育てましょう!
今は働きに出るお母さんが多くて、外来で断乳の相談をよく受けます。断乳は親にも子にも辛いステップですよね。

ミルクで育てられた子供は、情緒と免疫の面で、やはり少し弱い印象があります。乳児脂漏性湿疹が多かったり、皮膚のアレルギーにもかかりやすかったり…ということが言われています。

可能な限り、母乳で育ててあげてほしいですが、どうしても母乳を続ける事が難しい場合は、2、3日搾乳を我慢して痛みに耐えてください。すると断乳は完了します。

また、母乳が出ないというお母さんは、おそらく仕事や家事に追われ、ストレスを抱え込まれていると思います。母乳が出ない場合には、信頼できる助産師さんにご相談されるとよいでしょう。

母子のためにも、幼少期の3歳までのスキンシップはとくに大切です。授乳を通して、しっかりスキンシップをとる時間を確保しましょう。




引用元:
“卒乳・断乳”は何歳までが正解? 「授乳の疑問」を医師に聞いた (マイナビニュース)