がん治療に先立ち凍結保存した卵子を12年後に体外受精し、昨年8月に男児を出産した愛知県内の女性(30)が7日、神戸市内で開かれた日本造血細胞移植学会の市民公開講座で講演した。

 公の場で話すのは初めてという。凍結保存の経緯や、子供を授かった喜びなどを語り、「がん治療後も妊娠の可能性を残すため、卵子の凍結保存技術が広まってほしい」と訴えた。

 女性は16歳だった高校1年の時、血液がんの悪性リンパ腫を発症。抗がん剤治療で不妊になる恐れがあり、高校2年の2001年、不妊治療施設で卵子を2個採取し、凍結保存した。病気を克服後、13年に結婚。解凍した卵子と夫の精子で体外受精し、子宮に戻して昨年8月に男児を出産した。

 講演は「治療の先に希望もあると伝えたい」との思いで引き受けたという。闘病中は、保存した卵子の顕微鏡写真をいつも手元に置き、「この卵子が赤ちゃんになってくれると思うと支えになった」と振り返った。

 女性は7か月に成長した男児を抱きながら「毎朝この子が横にいるのを見ると、本当に夢のよう。最初は17歳にもなれないかもと思っていた。今はとても幸せです」と、時折涙声になりながら心境を語った。



引用元:
「卵子凍結技術広まって」出産女性語る…兵庫(読売新聞‎)