「母につないでもらった命。走ることで、生きている実感が湧くんです」。四年連続で出場した名古屋市中川区の在日韓国人、金和美(キンファミ)さん(39)は、乳がんで亡くした母・朴敬子(パクキョンジャ)さん=当時(54)=への感謝を胸に、完走を果たした。


 温和で優しく、甘えさせてくれた母。一九九七年に乳がんが見つかり、その五年後に亡くなった。以来、乳がんに注意してきたため、三年前に姉の松美(ソンミ)さん(42)と同時期に乳がんを早期発見。乳房を全摘出したが命は救われた。


 四月に乳房の再建手術を受ける。今回、乳がん予防を啓発するピンクリボンの活動にちなんでピンク色のシャツで走った。周りのランナーにも「悲しい思いをしてほしくない」と呼び掛けたかったから。過去三回くぐったゴールゲートを駆け抜け、母に伝えた。「今年も走りきったよ」

(安福晋一郎)


引用元:
「生きている」実感 乳がん全摘出、名古屋の金さん(中日新聞)