総務省中部管区行政評価局(名古屋市)が、先月発表した「乳幼児の食物アレルギー対策に関する実態調査」。対象エリアは愛知、富山両県だが保育所、幼稚園、認可外保育施設を横断的に行政が調べた例は珍しい。対策の基本となるガイドラインを約五割が知らないなど、結果からは私立幼稚園の対応の遅れが浮き彫りになった。

◆愛知、富山で調査 48%が指針知らず
 保育所と認可外保育施設は厚生労働省の「保育所ガイドライン」、幼稚園は日本学校保健会の「学校ガイドライン」に沿って、食物アレルギーに対応することになっている。調査では私立幼稚園の48・7%が存在を知らず、75%が未利用だった。

 ガイドラインは各園に二部ずつ配られ、文部科学省も二〇〇八年と一四年の二回、都道府県教委を通じて周知を求めた。調査では「送られた気はするが、所在は分からない」という園もあった。これらのガイドラインは職員の理解のため、研修を開くよう行政に求めているが、「未実施」とした施設は全体の二割。私立幼稚園が69・3%と最も高く、次いで認可外保育施設の58・6%だった。

 四月から「子ども・子育て支援新制度」が始まり、一部の幼稚園は保育の役割も併せ持つ「認定こども園」となる。認可外保育施設の一部も「小規模保育」として認可され、自園調理を始める。調査を担当した同行政評価局の中村浩第二部長は「対応食を提供した経験があるかないかの差は大きい。(認定こども園となる)幼稚園で対応できるのか」と懸念する。

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 今回の調査は昨年五月から実施。保育は厚労省、幼稚園は文科省と行政の所管が異なり、「実態が明らかではない」ことが背景にあった。両県の公立、私立の保育所・幼稚園、認可外保育施設の全二千四百六十九施設から六百十五施設を選び、約八割の回答を得た。幼稚園と認可外保育施設は文科省や厚労省の調査でも対象に含まれておらず、データが明らかになったのは今回が初めてだ。

 また、アレルギーの症状が出なかった「ヒヤリ・ハット事例」も含め、原因食物を食べた事故は過去三年以内に、保育所の約五割で発生。内容は「配給・配膳ミス」「他の園児の分を食べた」「おかわり時に誤食」の順に多かった。保育所で事故が多い理由を、預かる日数や時間が長く食事の回数が多い▽自園調理が多い▽再発防止のため事故の情報をきめ細かく把握している−と説明している。

 調査結果では自治体の取り組みも紹介。名古屋市は緊急時の対応を示す表を作成し、保育所と公立幼稚園で使っているが、私立幼稚園には配布していない。中村部長は「関係先に知らせれば安全度はより高まる」と注文した。


 食物アレルギーのある子の給食を研究する岐阜聖徳学園大の高木瞳教授(食品学)は「ガイドラインが普及していないことなど、調査結果を行政に広く知ってもらい、対策に活用してほしい」と話す。

 調査結果は同行政評価局のホームページで見ることができる。

 (小中寿美)



引用元:
<進んだ?アレルギー対応> 遅れ目立つ私立幼稚園 (中日新聞)