4月から始まる子ども・子育て支援新制度では、全ての子育て世帯が支援を受けられることを目指す。乳児(満3歳未満)の待機解消策として、小規模保育など「地域型保育」の認可も進めるが、幼児(満3歳以上)らの預け先の確保は難しいままとの課題が残る。特に都市部では、3歳児の待機が増える恐れもある。

◆小規模保育の認可進むが…


 横浜市瀬谷区でNPO法人「さくらんぼ」が運営する小規模保育「はぐ@ねすと」。マンションの一室で一、二歳の九人が昼寝の後、おやつを食べ、職員と電車を描いた段ボール箱に入って電車ごっこを楽しむ。おやつを食べていたり、人形遊びをする子にも、それぞれ職員が寄り添う。


 ここの特長は複雑な家庭状況の子や病児、障害児への配慮が行き届いている点だ。「子の状況をあまり知られたくない保護者もおり、少人数の環境なら心理的に預けやすい。異年齢の子を一緒に保育するので個々の発達段階に応じられる。そこに小規模保育の果たす役割がある」と伊藤保子理事長(61)は言う。


 ただ、小規模保育で受け入れるのは原則、乳児だけ。幼児になると保護者は新たな保育先を探さねばならない。新制度は小規模保育を含む地域型保育の事業者に、幼児の保育先となる連携施設の確保を認可条件にした。しかし、待機児童問題が深刻な地域では、保育施設に空きがなく、連携施設を探すのは難しい。そこで連携ができるまで、小規模保育も定員の範囲内で幼児を預かれるよう、国は五年間の猶予期間を設けた。実際、東京都区部と関東・東海の政令指定都市への本紙の取材では、管轄内の事業者が連携施設を確保したとする自治体はゼロだ。


 小規模保育を運営するNPO法人代表で、全国小規模保育協議会の駒崎弘樹理事長(35)は以前、幼児専門の認可保育園設立を検討したが、東京都の「六十人未満の認可園では四割が乳児でなければならない」との規定で断念した。新制度で規定は撤廃される見込みとはいえ、“乳児優先”の政策に変化はなく、自治体から幼児保育に給付される上乗せ額も少ないままだ。「(幼児保育の運営は)損を覚悟しなければならない」と駒崎さんは話す。


 保育先が見つからない「三歳児待機」が増えている自治体もある。東京都世田谷区は昨年四月現在で百五十二人と、都内では最多。区の担当者は「小規模保育で受け入れる乳児が増えれば、さらに待機に拍車がかかる」と苦悩する。子どもを預けたいとのニーズは高いのに、将来の子どもの人口減が見込まれ、新たな保育施設の設置はどこも慎重になっているためだ。


 対策として定員割れしている幼稚園との連携や、認可保育園の幼児定員を増やす必要性を訴える自治体も多い。こうした動きに対し、さくらんぼの伊藤さんは「小規模保育が一時的な量確保のための応急措置の場になると、多様なニーズに応えてきた保育の価値が損なわれてしまう」と懸念している。


引用元:
<どうなるの?子育て支援> 3歳以上の預け先不足(中日新聞)