こうしたら> 子どもの虫歯予防
杉浦洋平さん


 大人になっても健康な歯でいるためには、小さいころからの対策が必要だ。虫歯にならないようにする「予防歯科」に力を注ぐすぎうら歯科クリニック(名古屋市中村区)院長の杉浦洋平さん(38)は、「妊娠したら虫歯予防を始めましょう」と健康な歯を作るための食育の重要性を訴える

◆栄養やかむことも大切
 −予防歯科を知らない親がまだ多いのでは。

 日本では「歯が悪くなってから歯医者に行く」という人が多いですね。それに対し、予防歯科は「口の中の健康を維持して、虫歯がなく美しい歯を育てること」が目的です。予防歯科の先進国であるスウェーデンでは、八十歳の人でも平均約二十本の歯が残っています。約十本しか残っていない日本は遅れています。

 −予防歯科の対象は何歳ぐらいからですか。

 私は「マイナス一歳から始めるマタニティー歯科」を考えています。乳歯の元である歯胚は、妊娠七週目ごろから作られ始めます。お母さんの健康や栄養の状態が、生まれてくるお子さんの歯に大きく影響するので、妊娠中のデンタルケアは重要です。妊婦さんは、ホルモンのバランスの変化によって虫歯や歯周病になるリスクも高いので、口の中を検診しきれいに保つことが大事なのです。

 −赤ちゃんの歯医者デビューの時期は?

幼児には歯磨きのトレーニングも大切=名古屋市中村区のすぎうら歯科クリニックで


 私は生後六カ月ごろからが適当と考えています。乳歯が生え始めるのがサイン。乳幼児の虫歯は進行が早いので、早く見つけて治療するのがいいのです。このころ歯磨きもスタート。最初はお母さんやお父さんが磨きますが、一歳を過ぎたら、お子さんが自分で磨けるように練習していきましょう。

 −歯の健康と食べ物の栄養は関係ありますか。

 切っても切れない関係です。うちのクリニックには管理栄養士がおり、食事の面から歯を健康にするアドバイスをしています。歯や歯茎を強くしてくれる主な栄養素や食品を挙げてみましょう。歯のもとになるカルシウムは、牛乳や乳製品、小魚、大豆製品などに含まれます。歯茎を作るタンパク質は卵や魚、牛乳などで取れます。歯を支える歯槽骨の構成成分で欠かせないものはマグネシウム。大豆やアーモンド、海藻類、玄米といったものを食べればいいです。

 −そういった食品で子どもの歯が強くなりますね?

 あごの成長は、積極的にかむことで促進されることも知ってもらいたいです。あごが未発達だと、唾液の分泌量が減り、虫歯になりやすい。あごが小さくてシャープな輪郭はかっこいいですが、いいことばかりではないんです。

 「おかあさんはやすめ」という言葉があります。オムレツ、カレーライス、アイスクリーム、サンドイッチ、ハンバーグ、焼きそば、スパゲティ、目玉焼きのことで、軟らかく子どもが好きな料理ばかりです。今の子どもは昔に比べ、このような軟らかいものを多く食べる傾向が強い。

 −あごの成長にいい食品を挙げてください。

 「まごわやさしい」です。豆、ゴマ、ワカメ、野菜、魚、シイタケ、イモ。子どもが苦手なものばかりですが、工夫して日々のメニューに生かしてください。

 (白井康彦)



引用元:
<こうしたら> 子どもの虫歯予防 (中日新聞)