韓国では、卵巣がんを治療した女性は、治療後も変わらず性機能が維持されるが、治療前より社交性と経済面が悪化していると分かった。

 韓国国立がんセンターを中心とした研究グループが、婦人科腫瘍学分野の専門誌ジャーナル・オブ・ガイナコロジック・オンコロジー誌オンライン版で2015年1月26日に報告した。

生活の質と性機能に関するアンケートで調査
 調査は、2013年2月から2014年4月の間に、韓国国立がんセンターで卵巣がんを治療した女性および健康な女性それぞれ73人を対象として行われた。対象者には、生活の質(QOL)と性機能に関するアンケートに回答してもらい、その結果を解析して比較した。

 アンケートは、(1)欧州がん研究・治療機構(EORTC)が開発した、がんの人の生活の質を評価する国際的なアンケート「 QLQ-C30」(2)同じくEORTCの卵巣がんの人の生活の質に特化したアンケート「QLQ-OV28」(3)女性の性的機能指数アンケート「FSFI」の3種類を実施した。

 対象者は全員、アンケート回答時点からさかのぼって3カ月以内に性交の経験があった。また、卵巣がんを治療した女性は全員、治療後の経過観察中で、がん再発の徴候はなかった。

性機能は変わらず、社交性と経済面が悪化
 解析の結果、性機能アンケート「FSFI」により評価された、性欲、興奮度、潤滑度、オーガズム、満足感、痛み、の6つの項目、および、卵巣がんにおける生活の質アンケート「QLQ-OV28」により評価された、性的な関心、性交の頻度、性への喜び、は、両グループで差がなかった。これにより、卵巣がんを治療した人でも、治療前と変わらない性機能が維持されると分かった。

 ただ、卵巣がんを治療した人では、膣の乾燥の問題が若干多いようだった。

 一方で、性機能以外の生活の質を解析したところ、卵巣がんを治療した人は健康な人より社交性が低く、経済的に困っている人が多いと分かった。この件に関して、さらなる調査を行う必要があると研究グループは見ている。

 ドイツでは、前立腺がんで神経温存前立腺全摘除術を受けた男性を対象に、治療後の性生活の調査が行われている。(「前立腺がん、手術は性生活に影響するのか?」を参照)がん治療とその後の性についての研究の重要性が、最近、注目されてきているのかもしれない。



引用元:
卵巣がんを治療した女性、性機能や生活の質は治療前と変わるのか?(Medエッジ‎)