山形大大学院理工学研究科、阿部宏之教授(生殖生物学)の研究が、独立行政法人科学技術振興機構の支援プログラムに採択された。「受精卵品質診断装置の開発」で、妊娠する可能性の高い受精卵を選ぶことにより、不妊治療の成功率を向上させることが期待されている。
 阿部教授は、細胞内のミトコンドリアの呼吸(酸素消費量)で細胞の活性度が判定できることに注目。電気化学計測技術を応用した測定装置を開発した。山形牛の受精卵診断で使ってみたところ、妊娠率が2倍近くに伸びたという。ヒトの受精卵に応用すると、目視で形態評価した場合と比べて妊娠率は2倍、流産率は4分の1に下がった、としている。
 採択されたプログラムでは、超高感度マイクロ電極と医療対応の測定液を開発する。受精卵品質評価の精度を高めるだけでなく、再生医療での細胞診断にも応用できることを目指している。
 阿部教授によると、日本では夫婦7組に1組が不妊で、年間3万人が不妊治療を受けて出産している。人工授精や体外受精、顕微授精の成功率は18%以下で、医療費負担の大きさ、母体への影響も無視できないという。阿部教授は「晩婚化で不妊治療が増えている。新しい診断装置が出来れば体外受精の成功率を高めることができるようになる」と話している。


引用元:
不妊治療に役立つ、受精卵の診断装置 山形大・阿部教授が開発 (朝日新聞apital)