赤ちゃんが、お見合いパーティーでキューピッド役に−。赤ちゃんと触れ合う育児体験付きの珍しい婚活イベントが、大阪市内で開かれた。参加者は赤ちゃんを囲んで話を弾ませたり、家庭生活をイメージしたり。発案したのは、赤ちゃんを「先生」として高齢者施設や学校に派遣する取り組みを続けているNPO法人。人の心を和ませる力を持つ赤ちゃんが、縁結び、少子化対策の“秘策”として期待されている。
カップル率3割
8月末、大阪市内のレストランウエディング会場。大手結婚相談所が開いた婚活イベントには男女57人が参加していた。そこへ流れてきたのは、お見合いパーティーには不釣り合いな「こんにちは赤ちゃん」の歌。すると、5カ月から2歳までの赤ちゃん11人とその母親が登場し、緊張気味だった参加者は、思わず表情を緩め拍手で迎えた。
5つのグループに分かれた男女が、それぞれ赤ちゃんを抱っこ。泣かれてしまうこともあるが、ぎこちない手つきで一生懸命、赤ちゃんをあやした。男女がペアになり抱っこひもを装着する体験では、「かわいいですね」などと自然に会話が弾む。母親たちが自らの結婚や育児などの体験を話すと、興味深そうに聞いていた。
この日の最後には、18組が連絡先を交換して“カップル”に。主催したノッツェ(東京都新宿区)によると、通常のカップル率は1割程度で、今回は3割とかなり高い。
参加者からは大きな反響があったという。男性は「何度かパーティーに参加してきて自分は口べただと思っていたが、こんなに自然に笑えて会話が弾んだことはない」「赤ちゃんとの触れ合いは非日常の体験で、結婚後の生活や育児が具体的にイメージしやすかった」「初めて赤ちゃんを抱っこして、早く家族を持ちたくなり、より婚活に意欲が出た」。女性からは、「育児に興味がある男性が多くて驚いた」「こわもての男性が、泣く子を優しくあやす意外な一面にひかれた」といった反応があった。
心和ませる力
今回派遣された赤ちゃんと母親は、NPO法人「ママの働き方応援隊」(神戸市兵庫区)のメンバー。同法人は赤ちゃんが持つ他者の心を和ませる力に着目し、平成23年秋から赤ちゃんと母親を高齢者施設や小学校や中学、高校などへ派遣する「赤ちゃん先生」事業を展開している。育児中の母親にとっても、子供と一緒に社会参画できる取り組みになると注目され、関東、中部、関西、中国、九州の各地で約700組の母子が活動している。
そんな中、「メンバーから赤ちゃんが縁結び、少子化対策になるのでは、と意見が出て、婚活イベントに出かけてみようか、ということになりました」と同法人の恵(めぐみ)夕喜子理事長は話す。
まず今年4月、北九州市で結婚式場が開催したお見合いパーティーに母子が参加。カップル成立が通常の2〜3倍となり好評だった。6月にも実施し、今回の大阪での開催につながった。
ノッツェでは「結婚とは、家族を作り、子を育て命をつないでいくこと。そんなメッセージを発信してくれる赤ちゃんに、少子化対策の一翼を担ってもらいたい」としている。同社は同様のイベントを11月に東京で開催し、全国の営業所で展開していくという。また、同法人も今月18日、神戸市内で婚活イベントを主催する。
神戸大学発達科学部の伊藤篤教授は「出会いの場での赤ちゃんの存在は、家族を形成したいと願う男女にとって、妊娠、育児生活をリアルにイメージしやすく、後押しとなるかもしれない」と話している。
引用元:
赤ちゃんがキューピッド! 育児体験付き婚活イベント、少子化対策の秘策に【産経west】