2013年のイギリスで、50歳以上の女性から生まれた子供がなんと700人もいることが分かった(Centers for Disease Control and Preventionの調査結果による)。さらに、2000年から2013年の間に165%増加したことが明らかになっている。なお、2000年の時点での50歳以上の女性から生まれた子供の数は300人程なので、この10年近くの間にどれだけ増加したかが分かるだろう。

40歳を超えた女性の出産数は2013年に4万人
日本ではそもそも、聞くことの少ない50代の女性の出産。2000年の時点で300人も出産されていたということにも驚く。

この妊娠・出産の内容を見てみると、自然妊娠した人もいるが、その多くは体外受精による妊娠が大多数を占めているという。

一方、先進国の中でも出生率の高いフランスでも高齢出産が進んでいる。家族関係の心理学者であるGérard Pavyse氏によると、高齢出産がフランスで増えている理由は「2回目の結婚相手との子供が欲しくなったり、女性のキャリアの問題、『自分がまだ子供を埋めるほど若いと確信したい』などがある」とのこと。

実際フランスでは、40歳を超えた女性の出産は1980年の1%に比べて、2013年は5%に増加している。子供の数でいうと、1980年には7,000人だったのに比べて2013年は4万人だ。パーセンテージでみるより、明らかに増加していることが分かるだろう(フランス国立統計経済研究所の調査による)。

ヨーロッパの多くの国では49歳以上の人工授精は法律で禁止
もちろん、高齢出産は個人の選択でもある。ところが、実際イギリスで2,000人を対象に行われた調査では、75%の人が「50代を超えてからの出産は適切ではない」との意見結果が出た。その多くの理由は、子供が20 歳になったときに母親はすでに70歳という大きな年齢差によるものからだ。

前出の心理学者のGérard氏は「孫と祖母でもないのに、年齢の格差が開きすぎてしまう状況は、子供にとっては不安定な状況を引き起こす可能性が高い」と説明する。

多くのヨーロッパの国では、43歳までの人工授精の補助があり、それ以上の年齢で人工授精をする場合は実費になる。また49歳以上の人工授精は法律で禁止されている。

40 歳以上の妊娠・出産は、流産や早産のリスクが高い
フランスで始めて人工授精を成功させたFoch de Suresnes病院婦人科のRené Frydman医師によると「43歳以上の人工授精の補助が打ち切られる理由は、女性への精神的、肉体的リスクを避ける意味もある 」と語る。

ただでさえ、40 歳以上の妊娠・出産は、高血圧が引き起こす流産や、早産のリスクが高くなるからだ。

何をするにも、適齢期というのがやはりある。それでも高齢出産を望む女性は、しっかりと自分の身体におよぼすリスクを調べ、納得をした上でトライする選択をすることが大切だろう。



引用元:
英国で50歳以上の女性から生まれた子供は700人 世界で増える「高齢出産」事情(ウートピ)