■出産リスク乗り越え
佐賀市の国立病院機構佐賀病院で、自然妊娠による三つ子の赤ちゃんが誕生した。三つ子が自然に産まれる確率は十数万分の一で、県内では15年に1度の割合。1000グラム未満の出産にはリスクもあったというが、周産期医療の充実もあり、赤ちゃんはすくすく育っている。
出産したのは、唐津市養母田の伊藤奈月さん(39)。赤ちゃんは一卵性の女の子で三つ子の中でも特に珍しい、一つの胎盤を胎児3人で共有する「一絨網膜三羊膜(いちじゅうもうまくさんようまく)」だった。
伊藤さんは三つ子と分かると、母胎の安全のため昨年8月末から入院。同10月に妊娠27週で帝王切開で出産した。赤ちゃんはそれぞれ962グラム、966グラム、759グラムと低体重だったため、NICU(新生児集中治療管理室)に入院したが、その後健康に成長。体重も3〜4キロ台に増え、2月15日退院した。
担当した同病院県総合周産期母子医療センターの江頭政和医師(33)によると、三つ子は血流の割合が少なくなるなど、胎内での成長や出産にリスクを伴うが、今回は早い段階からの対応が奏功した。江頭医師は「安心して周産期医療を受けてもらえるよう力を入れてきた成果」と喜ぶ。
「三つ子と分かった時には、驚きすぎて椅子から立ち上がれなかった」と振り返る伊藤さん。17歳の長女は昔から妹を欲しがっていたといい、思わぬ形で願いがかなった。今後、経済的な負担の面で不安はあるが「産まれてきたらかわいくて、この子たちが成人になる60歳まで働かなきゃって気持ちにさせられます」とほほ笑む。江頭医師も「多胎児は周囲の家族の手助けが必要。しっかり家族で支え合ってほしい」と話す。
引用元:
自然妊娠で三つ子誕生 唐津の伊藤さん(佐賀新聞)