山口県は不妊に悩む夫婦の経済的な負担を軽減するため、新たに男性の不妊治療への助成も行うことにし、事業費1000万円を新年度の当初予算案に盛り込んだ。従来の助成制度と合わせると全国トップ水準の支援体制になるという。

 不妊治療には〈1〉排卵日を厳密に予測するタイミング法や薬物療法などによる一般不妊治療〈2〉人工授精〈3〉体外受精、顕微授精による特定不妊治療――と大きく分けて3段階あり、県にはそれぞれ助成制度がある。

 今回加えるのは〈3〉の一環で行われる、男性の採精手術。無精子症などの場合に精巣から精子を取り出す手術で、保険適用外のため、1回に20万〜30万円かかるという。新制度では1回につき10万円を上限に助成し(所得条件あり)、年間100件ほどの申請を見込む。

 県健康増進課は「今回の事業により、悩んでいる夫婦の治療を後押しし、男性の不妊治療への関心、理解が深まる機会にもつなげたい」としている。

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 県は不妊への理解を深める講演会や、不妊・不育に関する専門相談も行っている。3月8日午後1時からは「もっと知りたい!不妊のこと」をテーマに、医師やNPO法人理事長らによる講演会、医師やカウンセラーによる相談会(先着20人程度の予約制、今月27日締め切り)を周南市の県周南総合庁舎で開く。参加は無料。問い合わせは県健康増進課(083・933・2947)へ。

(2015年2月22日 読売新聞)


引用元:
男性不妊治療へ助成、1回につき上限10万円…山口 (ヨミドクター)