嬉野市は新年度から、妊娠しても流産を繰り返し出産に至らない「不育症」の治療費を助成する。補助額は30万円が上限で、専門医からの診断を受けて治療した市内の女性が対象。来年度の一般会計当初予算案に関連事業費30万円を盛り込んだ。県内の自治体で初めて。

 厚労省によると、不育症は染色体、子宮形態、内分泌、血液凝固のいずれかの異常が主な原因。血液凝固異常で代表的な治療法である薬物治療には、月々数千円から数万円がかかり、子宮形態異常などには手術を要する場合もある。2008〜10年に行った厚労省の調査では、女性の約5%が不育症という。

 嬉野市の新事業は、日本生殖医学会が認定した専門医のいる医療機関で、保険診療対象外の治療を受けた場合に1回助成する。治療費は患者がいったん医療機関窓口で支払い、後で請求して受け取る「償還払い」となる。該当する医療機関は県内にはなく、近隣では福岡県に久留米大病院(久留米市)など6施設、長崎県には長崎大病院がある。

 市はこれまでも不妊治療に助成しているほか、昨年10月からは県内で初めて男性不妊治療の助成も始めた。今回の助成も、望みながら子どもができない夫婦の経済的負担を軽減する姿勢をさらに一歩進める取り組みとなる。

 市健康福祉部は「女性が安心して妊娠・出産できる環境を整えたい。需要次第では補正予算などでさらに事業費を増やすことも考えていきたい」と話している。


引用元:
不育症治療を助成 妊娠しても流産繰り返す 嬉野市(佐賀新聞)