幼児期は、乳児期同様に成長と発達の最も大切な時期。保護者が栄養バランスや1日の摂取量、メニューで気を付けたいこととは? 管理栄養士の太田百合子氏に伺った。

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一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが一目でわかる食事の目安を知るには、食事バランスをコマの絵で示した食事バランスガイドが有名ですね。一日トータルだとわかりにくいと思われる場合は、1回の食事で主食(炭水化物):副菜(ミネラル):主菜(タンパク質)の割合が、3:2:1になるようにすると、特別な知識や面倒な計算をしなくても、おおよそ栄養バランスが整った献立になります。

特に幼児期に不足しがちな栄養素は、鉄分やカルシウム、ビタミンです。1食でバランスよく摂取するのは難しいですが、おやつにヨーグルトや牛乳、食物繊維を摂るなど、1週間トータルして栄養を補えるように考えた食事が望ましいですね。

また、食事は栄養だけでなく、「かたさ」など食感のバランスにも気を配ってほしいと思います。幼児期は、咀嚼(そしゃく)力を鍛えてほしい時期です。よくかむと食材本来のうま味を感じられることに加え、満腹中枢が刺激される、歯並びがよくなる、消化がよくなるといった多くのメリットがあります。カレー・ハンバーグ・グラタンなど、子どもが好きで、やわらかく食べやすいメニューばかりを作るのではなく、ぜひ歯ごたえのあるものを食卓に出してあげてください。たとえば、豚ロースは、幼児にとっては食べにくいですが、お肉をたたいて、筋を切るなど下ごしらえをするとおいしく食べられます。よくたたいてとんかつに、衣をつけてポークピカタにしてもよいですね。


引用元:
幼児食の専門家 栄養バランスだけでなく「食感のバランス」にも気を配って(ヘッドライン)