子育てや産業支援に重点を置き、地方創生を強く意識した飯田市の二〇一五年度一般会計当初予算案。三月補正予算案にも関連事業を盛り込み、実質的な十三カ月予算になっている。牧野光朗市長はアベノミクスによる景気向上の実感が地方にまで及んでいない中で、「地方の創意工夫が必要で、ゼロベースから事業を見直した」と述べた。

 市は▽多様な産業施策の推進▽こころ豊かな人づくり▽安心して健やかに暮らせるまちづくり▽低炭素社会・飯田づくり▽多様性に富んだ暮らしと文化を次世代に継承する地域づくり−の五つの基本方針に沿って予算を編成。特に重視したのが子育て支援関連で、総額五十七億九百万円を盛った。

 結婚に向けた出会いの機会を増やすため、イベントやアドバイザーの設置などに七百四十万円を計上し、不妊治療の助成も拡充。千八百万円かけて、子育てする家庭の孤立を防ぐため、さまざまな相談を受け付ける子ども家庭応援センターを開設するなど結婚、出産、子育てと幅広い段階での支援を打ち出した。

 牧野市長が公約に掲げていた高校生の医療費無料化への準備も始まる。二百五十万円を計上し、来年四月の無料化に向けて医療機関との調整や市民への周知をする。牧野市長は「持続可能な地域を実現するには安心して出産し、育てていくことが必要で、それぞれのステージごとに支援していく」と述べた。

 産業振興では、三遠南信自動車道の龍江インターチェンジ(仮称)南側に新たな産業用地を造るための調査に五千万円。二千円分のプレミアム付き商品券、市外からの旅行者に無料で配布するクーポン券などの発行に総額一億九千二百万円を計上した。

 リニア中央新幹線関連では、中央自動車道座光寺パーキングエリアに設置するスマートインターチェンジの事業申請を一六年春に行うことを目標に調整を進める。また、旧飯田工業高校の敷地内に南信州・飯田産業センターを移転、高等教育機関や研究機関を誘致、集約する「サイエンスパーク構想」の調査に一千万円を盛った。



引用元:
子育て支援に57億円 飯田市当初予算案(中日新聞)