赤ちゃんが母乳を飲んでいた場合に、離乳してから呼吸器感染症で入院するリスクが下がる可能性があることが日本人を対象とした研究から分かった。

 岡山大学地域総合研究センターの山川路代氏らの研究グループが、母子の医療分野を扱う国際誌、マターナル・アンド・チャイルド・ヘルス・ジャーナル誌で2015年2月6日に報告している。


日本人の子どもを対象に検証


 母乳には異物から体を守る抗体が入っており、赤ちゃんを感染から守る効果がある。研究グループによると、そうした予防効果が、離乳した後のも続くかは分からない。

 研究グループは、母乳を与えていることで、幼児の呼吸器感染症、および下痢による入院を防ぐ効果を持つのかを検証した。データは、日本人の子どもを対象とした全国的な長期にわたる調査から抽出した。

 妊娠週数37週以上の妊娠期間で1人で生まれてきた子どもで、母乳を飲んでいたかどうかの情報が手に入る4万3367人を検証した。

 「ロジスティック回帰モデル」と呼ばれる統計分析の方法によって、幼少期に母乳を飲んでいたことと2つの病気による入院に関連があるかを分析した。

 幼少期は、月齢6カ月から18カ月、18カ月から30カ月、30カ月から42カ月の3つの時期で分けて考えた。

 分析に当たっては、性別、出生体重、保育所への通園、兄弟の有無といった子どもの条件、学歴や喫煙といった母親の条件も折り込んだ。


危険度を2割程度下げる


 結果として、呼吸器感染症による入院に影響があると分かった。

 月齢6カ月から18カ月の間に母乳を飲んでいても粉ミルクと比べてもリスクは下げなかったが、その後の18カ月から42カ月の間に母乳を飲んでいると、呼吸器感染症による入院を減らした。

 18カ月から30カ月に母乳を飲んでいる場合、粉ミルクと比べたときに、危険度は18%減少、30カ月から42カ月では24%減少していた。

 一方で、下痢による入院のリスクを下げることはなかった。

 呼吸器感染症による入院に長期的な予防効果がある可能性がある。

 母乳の効果として参考になるかもしれない。



引用元:
母乳で赤ちゃんの入院リスク低下、呼吸器感染症に効果、岡山大学が報告(Medエッジ)