一般的に、赤ちゃんがほしいと思い、2年以上の夫婦生活を営んでいても妊娠に至らないことを不妊症といいます。
避妊せずに性生活を続けると、1年後にはおよそ80%、2年後にはおよそ90%は妊娠することが出来るといわれていますが、不妊治療とは、この残りの10%が対象となります。
ここでは、日本の不妊治療事情について、簡単に解説します。
◆不妊症に悩む人はどれくらい?
女性の加齢にともなって、卵子も年をとってきます。妊娠に一番適した年齢は20歳代といわれ、30歳をすぎると妊孕性(妊娠のしやすさ)は徐々に低下しはじめます。
ところが現在の日本では、女性の社会進出などの背景からか、晩婚化、晩産化、少子化が進んでいます。女性の晩婚化が進むと、初産年齢もそれにつれて上がって来ます。つまり「初めて妊娠しようとする年齢」が高くなるのです。ここで1つの問題があります。
最近の女性は見た目が若く見える人も多く、実年齢より10歳以上若く見えることもあります。しかし実年齢が上がるにつれて、身体の年齢、特に卵子(卵巣)の年齢はそれなりに上がっているのです。
女性の妊孕性が低下するころになって「初めて妊娠しようとする」ため、中々思うように妊娠することが難しくなります。こういった背景からか、ここ数年で不妊症の治療を行う人は、増加傾向にあります。
とある研究結果によると、不妊の検査や治療経験のある夫婦の割合は、2010年では16.4%でした。子どものいない夫婦に限ってみると28.6%。現在では、およそ30〜40人に1人は、高度な不妊治療により産まれた子供だといわれています
◆妊娠は何歳まで出来るのか?
個人差も大きいため、すっぱりと決めることは出来ません。しかし不妊症治療を受ける人の年齢などから推測すると、40歳〜42歳くらいが限界なのかもしれません。
ここ数年、芸能人や著名人などで、40歳を過ぎてから初めて出産する人が目立ち、40歳を超えてもまだまだ大丈夫、と考える人も多いでしょう。しかしこれはほんの一例であり、実際は40歳を過ぎると自然妊娠は非常に難しく、不妊治療の中でも高度な治療法を行う必要性が出てきます。
とある医療機関のデータによれば、不妊治療を行う患者さんの年齢のピークは30歳代半ばなのですが、現在一番高度な治療法である「体外受精」を行う人は、40〜42歳にそのピークがあります。
一方で、体外受精に必要な技術の一つに採卵(卵子を取り出すことを)がありますが、これも年齢との関係があります。20歳代では1回の採卵で10個前後採れたものが、年齢とともに徐々にその数は減り、40歳では1〜2個になるそうです。自然に妊娠することが年齢とともに難しくなる、ということが分かります。
◆卵巣だけが年を取ることも!
「早期閉経」という言葉を聞いたことがありますか?
一般的に、30歳代から卵巣機能は徐々に低下しはじめ、およそ40歳をターニングポイントとして急激に衰えます。そして50歳くらいで卵巣はほぼ機能しなくなり、生理が終わります。これを閉経といいます。
しかしここ数年、30歳代や40歳代前半でも閉経と同じような状態になる人が増え始めました。この状態を「早期閉経」といいます。原因としては自己免疫疾患や染色体異常が挙げられますが、原因不明であることが一番多いようです。
◆卵巣の年齢を調べる検査って?
卵巣の年齢がどれくらいであるかは、3つの検査で調べることが出来ます。
超音波による検査、血液検査から卵巣を刺激するホルモンの分泌量を調べる検査(FSH値を測定する検査)、血液検査からこれから排卵する可能性のある卵子の量を調べる検査(AMH検査)です。
超音波検査とFSH値を測定する検査は生理の周期に影響されます。しかしAMH検査は生理の周期に影響を受けないため、最も簡便で正確な検査といわれています。
◆卵子を凍結保存できるかも?
ところで、妊娠して出産に至るまでには、卵巣だけではなく、子宮も必要ですね。卵巣が卵子の元となる細胞(卵胞)を抱えて十分に成長させてから排卵するのに対し、子宮は受精卵をしっかり受け止め(着床)赤ちゃんを40週に渡って育てる機能があります。
しかし逆にいえば子宮のもつ機能はこれだけであり、子宮は中々年を取らない臓器であるともいわれています。子宮自体が病気を抱えていなければ、若い頃の元気な卵子による受精卵により、もっと高齢になっても妊娠が可能になるかもしれません。
この考え方から開発されたのが、「受精卵を凍結させておく」という技術です。自費となりますが、理論上は妊娠が可能な技術として注目され始めています。
引用元:
実際のところ、何歳まで妊娠出来る?日本の不妊治療事情(ヘルス(Mocosuku Woman))